ベルリンから人生敗者復活戦。

ワーキングホリデーの失敗談を綴る。その失敗の過程と、失敗から出直す、敗者復活戦の過程も勝手に配信する。

「個人主義の国では個人主義で戦って将軍になろう!」ベルリン最悪スタートアップ企業とのフリーランス契約は断りました!

退職を控えてとってもスッキリしたオフィスの私のパソコン。「ばいばいびー!」

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ブログと言う媒体では読者は「ブログ記事」に興味があるのであって、「ブロガー」自体に興味がある訳ではないと自覚しております。しかし何名かの温かい言葉に励まされ、ここまで頑張って来られた部分もあるので「ベルリン最悪スタートアップ」関連記事は、最後の結論まで書き切りたいと思います。動向や今後を心配して下さっている方が数名でもいらっしゃれば、報告義務もあると思いますので。「いい加減暗い話は飽きたよ!」と言う方も、もう少しだけお付き合い下さい。(この後には「サマーバケーションのベルリンで食べるべきTOP3のアイス屋さん情報!」とかも書きますので。)

さて早速タイトルで結論を出しておりますが、最悪なベルリンのスタートアップ企業とのフリーランス契約は結局反故に致しました。だって「悪縁」「悪いカルマ」って一度切らないと抜け出せないでしょう?だから綺麗サッパリお別れすることにしました。「フリーランスで残って働かないか?」とオーナーから声がかかってからの一週間、とってもとっても戦いました。でも最後は交渉を楽しむことまで出来ました。その記録を「今後色んなことで挫けそうになった時の自分が読み返して『あの時あんなに頑張ったからもう一度頑張ろう』と思える」ように、タイムカプセルの中の未来への手紙の気分で書き残したいと思います。

 

スイートスポットはお金。マネーマネーマネーの交渉で揉めに揉める。

もう!面白いぐらいに揉めに揉めました、フリーランス契約の交渉。一週間たっぷり使ってやっと終了しました。マジで途中から普通にポーカーゲームが面白くなってきてしまって「どこまで掻き回せるのかな?」と自分の中でもこの状況を楽しむ余裕すら出てきました。タイトルの「個人主義の国では個人主義で戦って将軍になろう!」は火曜日「やっと退職届だしましたよ〜、今はフリーランスの給料交渉でゲンナリ」と日本人のフリーランスの友人に愚痴った際に頂いた言葉。彼は続けて「いいじゃん、交渉って楽しいじゃん!」と宣う。だてにフリーランスで海外生活を生き抜いてきておりません。このお兄さんもなかなかの曲者。実力がある人って本当に逆境に強いんでしょうね。FacebookのMessengerでひたすら「交渉ごとはこうやって進めたらいいよ〜HAHAHA!」みたいなアドバイスを下さいました。このお兄さんとも、例に漏れず「ボルダリング行こうぜ!」で会話が終了。ベルリンでボルダリングを平日の日中に登りにきているような日本人のお兄さん達はきっとフリーランスでお仕事をされていて、超タフでガッツがある人である確立が高いと思います。ベルリンで悩んでいる日本人は全員ボルダリングジムで相談相手を見つけたらいいんじゃないかと思うよ!このお兄さん達めちゃくちゃ頼りになる上にアドバイスがシンプルで的確です。それにしても「将軍」って!笑 いつのまにかサムライから将軍を目指すことになっていました。戦国時代か。(まあサバイバル感はめっちゃあるけれども) 

 

月曜日に自作の「英語フリーランス契約書」を提示、ポーカーゲーム交渉スタート。

さて辞表を提出した週の金曜日に「フリーランスで良いから残って働かないか?」と言い出したのはオーナーです。概ね口頭にて「仕事内容」や「出勤目安日程」も合意していたので、その会話を踏まえた上で、土日を使って英文フリーランス契約書を自作しました。以前お世話になったドイツ人のフリーランサーのお姉さんに「フリーランスだと契約書を交わさないことがほとんどだけど、信用出来ない相手には自作の契約書にサインをもらうようにした方が安全。」と教えてもらっていたので、彼女に送ってもらった『How to make a freelancer contract by yourself ( どうやって自作のフリーランス契約書をつくるか) 』の参考サイトや英文契約書のテンプレートを使用しつつ、自作しました。まあまあ楽勝。

でも法律的なことは自信が無いので、最後に過去にデートしていたイタリア人がたまたま法学部卒で英語とドイツ語が出来る弁護士の卵だったので、SNSで連絡して契約書の内容をチェックしてもらいました。まあ、内容としては結構ちゃんと書けていたようです。(ドイツ人の友人に送ってもらっていた契約書のテンプレートがそもそも完成度が高かったので、自分用に少しアレンジするだけで済みました。)一応素人の人間が作った契約書なので不安ではありましたが、法律を知っている人に「きちんと書けていると思う」とコメントが貰えたので安心しました。この契約書を持って、月曜日に正式にフリーランス契約をオファーしました。

と、いってもキツネなポーカーゲーム。社長とオーナーと机に座って「で、フリーランス契約どうしようか?」と声をかけられた瞬間に、サッサと私のターンで話を進めたかったので、「週末にフリーランス契約書を用意してきましたので、こちらでご検討下さい。」と紙を渡して、雇用条件、時給、雇用日数に保証や契約解除要項などを一気に説明しました。で、時給に関しては「こちらが根拠となる仕事の書類とポートフォリオです。」と別のドイツ企業から貰ったインボイスを提示。最後には「ドイツ語の契約書で再び混乱することは嫌なので、双方の為にも英語の契約書にしか私はサインしませんので。修正や加筆を希望する場合にはこの場で仰って下さい、編集して明日再度お渡します。」とワンブレスで言い切りました。スッパーン!と言いたいことを最初に言えたので、後は黙って相手の反応を見るようにしました。

まあしかし、どんなに根拠のある時給設定であったとしても「うーん、これはねえ。」と全くもって渋い顔。私だってこの時給額でサインしてくれるとは期待しておりません。5分ほど私の最高時給額を記載した契約書でうーん、うーんと言わせた後は(そのままウンチでもされたら困りますので)「それではコチラをご覧下さい。」と次に用意していた契約書をターン!しました。「現在のこの会社での給与バランスと、今回のフリーランス契約が短期間ではなく継続的なものを想定していることを鑑みて時給設定をここまでなら譲歩出来ます。」と一息に説明。社長もオーナーも流石に「え、二枚目があるの?」と驚いていましたが、『ここまでだったら出せるだろう。』という微妙なラインで提示された時給には思わず頷いてしまっていましたよね。その上で「次のビザはフリーランスで申請しますので、もし契約する際は、宜しければこの会社からも推薦状を頂けますか?大体の内容はこちらの見本をご参照下さい。」とお願いして、社長に自作の「この人を雇いますよ〜」的な推薦文を英語で書いた書類をお渡ししました。もちろん「この推薦文はドイツ語で作成して下さい。」の要望も忘れずに。二枚目の時給額に関しては概ね受け入れられる内容であったのでしょう。「契約書に関しては社長と相談してから声をかけるね。」とオーナーは答え、社長は「推薦状ぐらい簡単な頼みだよ」と安請け合いして私の書類を受け取っておりました。私としては言いたいことを主張出来た時間だったので、まあ想定内の第一交渉で安心しました。このまま簡単に終わらないんだろうな、と心構えだけはしつつ。

 

火曜日は面談をスルーされる。余ったエネルギーでビザ申請書類準備ラストスパート。

「明日また話そうね。」と言って面談がすっぽかされるなんて日常茶飯事なので、あえて私から追いかけることはしませんでした。逆にのんびり出来た分、この日は書類整理に気合いを入れましたよ。フリーランスビザ取得を目指すと決めてからの2週間で、全人生で繋がってきた方々のコネクションを総動員して連絡しまくって集められる書類や協力は頭下げまくって集めまくっております。まくりまくりのまくりです。テンションオカシクなるぐらいに駆け回りましたが、気がつけばドイツで会社を持っているドイツ人の友人から簡単な仕事と推薦状を貰えることになり、過去にお手伝いしたアートフェスティバルで知り合ったドイツ人芸大教授からも推薦状を頂けることになりました。つまり「別にこの会社でフリーランスの仕事が決まろうが決まらなかろうが、フリーランスビザ取得に必要な書類は手元に集まった」状態となりました。もちろん目の前の定期的なお仕事やある程度のお給料は魅力的ですし、とっても大切です。しかし、いつまでもオモチャみたいに振り回されたり、不誠実な対応をされるようであれば契約なんて結ばなくてもいいんですね。だって目下の目標はビザ取得だし。仕事なんて、取得してからどうにかするつもりですし。火曜日の時点で「この会社とのフリーランス契約はボーナス程度と考えて、あまり酷い扱いが続きそうならば固執せずに無理な要求は撥ね付けよう。」と腹が決まりました。だって将軍にならなきゃいけないからね。いつまでも幕末のサムライでいたら開国出来ないですから。『NO!と言える日本人』どころじゃ、きっと将軍にはなれない。相手に私が望むままに『YES』と言わせることが出来たら、少しだけ将軍になれる気がします。推薦状が集まってきたところで、次は保険会社との交渉に着手しました。

 

フリーランスでも維持出来るTK(公的保険)の必須条件と納税の仕組みを確認。

会社を退職することが決まっておりましたので、さっさと保険内容の見直しにも行って参りました。詳しい詳細は別記事にまとめる予定ですが、まあ、フリーランスでも公的保険を維持することは可能です。フリーランス御用達のCareConceptなどの保険もありますが、現在フリーランスのビザ申請で「外国人向けの海外旅行用の保険」が認められるかはグレーゾ—ンとのこと。更に長期でドイツ滞在を検討している人にはプライベート保険は損しかしないとのことです。ついでにフリーランス経験のある同僚に税金対策もバッチリ聞いてきました。へー、年間の稼ぎで税金控除となる金額が変わってくるのね。良いことを聞きました。ここまでを調べ尽くしてから契約書の最低金額を設定しています。

2017年も残り4ヶ月。年度末の納税を考慮すると、実はそれまでにフリーランスとして稼ぐ金額を少なめにしておいた方が得をすることもあるんですね。その点のメリットも考慮した上で低めに時給設定を提示しているので、相手からある程度時給交渉をされても、私としてはまあ、デメリットばかりでもないのです。

 

 水曜日はフリーランスでも時給を買い叩かれそうになったからNO! NO! NO!

火曜日の話し合いをすっぽかしたのは社長達ではありますが、いい加減話が進まないと困りますので私から「今日はお時間ありますか?」と切り出して無理矢理社長室までお話に参りました。社長も「オッケー、じゃあ内容について話し合おうか。」と渋々重い腰を上げて別室へ。そこから切り出されたお話はまあ、想像していた通りですよね。「もっと時給を下げたい。あと€2.5下げよう。」とのこと。おいおい、週に2日8時間勤務で働いた場合、時給が€1下がると月に€64も損することになります。もし€2.5も値下げしたら、私は毎月€160も損することになります。これだけのお金があればですね、物価が安いベルリンでは一ヶ月の食費にだってなりますし、もちろんそのうちの何度かは外食したってまだ€160以内で食費をやりくりすることだって可能です。つまり、私から言わせてもらえばあり得ない損失なんです。もちろん答えはNO!

その上で更に社長が「他の皆の給料スタンダードから考えると〜」とか言い出すので、「こう言ってはなんですが、給与と言う物は個人のスキルと経験に基づいて設定されることが常ですし、アナタは実績も分からない新人を雇うのではなく、私と言う既に仕事ぶりも把握している人材を雇うわけです。しかもフリーランス業務ではオーナーも認めている私の得意分野に特化した業務にのみ従事するのですから、ある程度のお給料の設定は求めて然るべきだと思っております。」とピシャリ。

それでも「フリーランスの仕事だとプロジェクト単位が常なのだから、定期的な仕事があるだけでもありがたいはずだ。(だからやっぱり時給は下げろ)」と主張してくるので、「プロジェクト単位の仕事で合ったとしても、それに見合った給与を頂くことになるのでその場合のリスクと対価は把握しているつもりです。むしろ定期的な業務を請け負う際に、今後支払って行く保険料や税金(これらは今まで会社と折半になっていましたが)を考慮しないと、時間も労力も損してしまいます。時給設定の際は今までの給与に自己負担の保険料と税金額も計算しております。やはりそこも加味した値段設定ですので、これ以上下げられますと私としても生活が成り立たなくなるのでサインは出来ません。」と再度ピシャリ。

オーナーは何を言っても私が譲らないので、説得の術を失ってしまったようでした。「もう一度話し合おう。」と言われてこの日の交渉は終了。私は次の交渉まで、いったいいくらまでであれば下げることが出来るのか、具体的な時給の再計算をしました。

 

木曜日の交渉は「じゃ契約しないよ。」「うん、オッケー。」で終了。私は追わない。Take me or Leave me!

月曜日から始まった交渉ですが、気力を使う交渉中にはこの歌がいつも頭の中で流れていました。ミュージカルRENTの名曲「Take me or leave me」です。

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ミュージカル中ではレズビアンカップルがケンカの際に「このままの私を受け入れてよ!無理ならば別れましょう!」というかなり強気な口喧嘩の流れで歌われていた曲ですが、私としても「このままの私を雇うか、それとも解雇しやがれ!」という気分でした。というか自分から辞表を出しているので、解雇と言うか普通に退職するんですけども。わざわざバカみたいに買いたたかれてまでフリーランスで残るのもアホみたいなので、気持ちが挫けそうになった時は「Take me or Leave me!」と心で呟いて気持ちを保っていました。もう、この会社とのフリーランス契約がダメであったとしても私にはサポートしてくれる友人達がいるので。フリーランスビザは確実に取りに行くつもりでした。だからこの会社にだけはすがりたくなかったんです。

そして木曜日、前日の話し合いを踏まえた上で再度社長と交渉しました。何度も「今日は何時にお時間ございますか?」と確認し、何度もオフィスを訪ねても後回しにされ続けた就業時間10分前。やっと「今から話そう。」と連絡を貰い、社長と話しました。時間にしてたった5分。私が「昨日のお話を踏まえて再度どこまでだったら時給を下げることが出来るのか再計算しました。そこで〜」と話しだすと、社長は私の話を遮って「結論から言ってくれ。こちらからの時給の提示額は変わらない。そして保険料や税金の件であれば、ウチでパートタイムの職員としての雇用契約を結ぶのであれば解決出来るだろう。どうだ?」と提示してきました。確かに会社の社員として残れば、パート勤務であっても労働ビザは取れますし、その上で保険料や税金管理を会社にしてもらえるのは本来であれば有り難いオファーです。が、私は第一条件として「この会社に附随した労働ビザは取りたくない」という確固たる想いがありました。

「とても有り難いオファーですが、他の会社とのお話が進んでいる点からもこの会社との労働ビザは取れません。その為フリーランス契約以外には提示出来ません。その上でやはり保険料と税金の件も考慮して頂きたいので、時給設定もそこまで下げることは出来ません。」と答えました。社長はその場で「じゃ、契約はしない。」と断言しました。私は『この会社は社長の意向よりもオーナーの意向で物事が決定される会社だ』と理解していましたので、社長の即断決定には驚きました。「今の解答がオフィシャルでファイナルの解答ですか?」と伺うと「YES!」と即答されましたので、「オッケー、では月曜日までお世話になります。その他重要であったり緊急性が高いプロジェクトに関してはなるべく早めにご連絡下さい。」と伝えて帰宅しました。時間にして5分程度。あっけない終わりでした。

 

金曜日は「フリーランス契約が頓挫したので、このまま月曜日で退職だから今日で引き継ぎ終了だよ!」宣言で新人さんがパニック!

そりゃー辞表を提出してから何度も「フリーランスで残るかもしれないけれども、残れないかもしれないから業務内容の質問は早めに聞いて下さい。」と散々伝えてきたのだから、アナタも覚悟しといて下さいよ。心の中で「今更キャー!は無いでしょう。」と年上の新人男性にイラッとしながらも、「こんな状態の会社に入社しようとしちゃうなんて、この人めっちゃ可哀相。」と同情もしていました。その為バカ丁寧すぎるぐらいに引き継ぎを行ないましたし、いつでも参照出来るぐらいには全ての業務内容、手順、チェックシートも作っています。その上で細かく各業者様の注意事項や背景情報をまとめた資料を残しているので、「一旦、全ての資料に目を通して頂いて、業務に関して不明点があれば教えて下さい。」と指示しました。が、この男性が全くもってして送った資料に目を通さないんですね。もう目の前の仕事でいっぱいいっぱいになっているから。だから30分前に送った資料があるにも関わらず、資料で説明している業務に関して平気で口頭で質問してくるんです。「この作業ってこうですか?」って。「一度質問される前に、既に送られた資料に手がかりが無いか確認されましたか?」と答えると「ぐぬう。」って感じで困っちゃう。短期間で全ての業務を引き継ぐなんて本当に無理難題です。新人さんをサポートする為にも、出来ることならばフリーランスでしばらくは残りたかった。だってあんまりだから。このまま放っておけないです。

しかし金曜日の就業間近。私が別作業を終わらせて戻ると以前「無理な値下げ交渉は業者様との関係を壊しかねないから、社長やオーナーからの無理難題には、日本側にストレートに伝える前に自分で吟味して、必要とあれば社長達とも議論した上で、気をつけて日本の業者様にお話しするべきですよ。」と伝えていた案件に関して「だって会社側の経営判断に基づいた指示だから、私は意見しても仕方ない。」との考えのもと、そのまま日本の業者様に無理難題を押し付け、そして「難しいお話です。」と断られていたところでした。つまり「日本とドイツの円滑なビジネスの架け橋になろう」という意識なんて無くて「自分の会社での立ち位置を守ることに必死」で「日本の業者さんが困るんじゃないか。」という思いやりや、気遣いが全くかけていました。「ああ、今後もこのような形でチームが動いて行くのであれば、もう私が出来ることは残っていないな。」と悟りまして、このままスッキリ退職しようと思えました。フリーランスで残る意義はもうありません。ある意味心残りがなくなって良かったです。

 

最終勤務日の月曜日「今まで有り難う!」とクッキーを配って歩いたら、最後にお別れ会まで開催されました。

最終勤務日は今週の月曜日でした。私は「発つ鳥後を濁さず」の精神のもと、個人的にはニヤリとする願掛けも込めて、職場の皆に手作りの塩レモンクッキーを配り、退職の挨拶と感謝を伝えました。オーナーにも「本当に沢山の経験を積ませて頂きました。心から感謝しています。」と本心から御礼を言うことが出来ました。オーナーとしては(買い叩きたいと言う想いがあるにせよ)私には残って欲しいという想いがあったため「本当に君が出て行くのは残念だ。」とハグされました。本当にこの人は面白いですね。フリーランス交渉において私は「社長よりも後ろにいるオーナーとの心理戦だ」と思っていたので、正直社長との交渉ではガンガンに押しまくっていました。最後の最後で社長から「彼女はウチでは扱いきれない」とオーナーに話が行ったのだと思います。オーナーからも「社長との交渉が頓挫したと聞いたよ。非常に残念だ。」と言われました。うーん、私、交渉でちょっと楽しみすぎちゃったのかもしれません。別に今更いいけどね。

オーナーには悪い印象を残していなかったからか、なんと最終勤務日の午後に、私のお別れ会が開かれました!笑 えー、今まで辞表提出や突然の解雇の人員達は「あの人、消えた?」みたいにスーッと姿を消して行くだけであったのに、私はちゃんとした卒業をさせて頂けるようです。(まあ私本人がキッチリとクッキーを配ってお別れを伝え歩いたということも原因かもしれませんが。)しかも結構ちゃんとした記念品まで頂いてしまいましたよ。オーナーは本当に残念そうにしてくれました。一方社長はその場でもすっごく苦い顔をしていたので「あ、私は交渉でこの人をやり込めすぎたんだな。人として嫌われてしまったから一緒に仕事は当然無理だろう。仕方ない。」と実感しました。まあ、社長には最後にもう一発かまさせて頂きましたけどもね。

 

 退職前にはキッチリ「レファレンスレター(推薦状)」を貰いましょう。今後の転職活動で絶対に役立ちます!

はい、私は自分でレファレンスレターの叩き台を作って社長に持って行きました。ドイツ語は難しいので英語で書いていますが、社長には「この内容に同意頂けるようでしたらご署名を頂けますか?今後ドイツで仕事をしていくにあたり、とても助けになる書類ですのでご協力頂けますと幸いです。」とクッキーと一緒にさりげなく依頼しました。もちろん他の社員の前で。これを断れる人っていないと思います。だって実際にちゃんと働いてきているし、社長と一緒に進めたプロジェクトだって成功しているし。社長は驚きながらも最終的にはサインを下さいました。

どんなに大変な状況であっても、ケンカ別れになりそうであっても、退職前には雇用主、もしくは直属の上司からレファレンスレターを頂いておくことは重要です。むしろ退職するのだから、どこに遠慮する必要がありますか?ここはシッカリ抑えておきたい重要な書類です。もちろん今後の転職活動に充分活用させて頂きますし、なんだったらビザ申請にだって「審査官の心証を良くする」ポイント稼ぎの為に付け加えたって良いんです。アドバイスとしては、自分でレファレンスレターを作ってしまうことでしょうか。「書いて下さい。」と漠然とお願いしても「後で時間があれば書いてあげますね。」とかわされて一生手元には届かないでしょう。ポイントは相手にサインだけさせること、目の前で、一瞬で片がつくように外堀を埋めておくこと。これも退職したドイツ人の同僚にアドバイスしてもらいました。「忙しいを理由に断られるから、忙しい人の負担を最大限に減らしてしまえばいいんだよ。」ですって。もう、書類の国のドイツでは書類がとっても効力を発揮するんですって。サインをもらえた時は心底安心しました。皆さんも是非ちゃんと貰って下さいね。

 

両手いっぱいに無駄な物ばかり抱えていたら新しいものは掴みに行けない。心機一転を測りたければ、立ち去る勇気を。悩んだ時は「胃袋で判断」を!

先日「もう退職する!フリーランス契約でも残らない!」と決めた後にずっと支えてくれたイタリア人の友人達や、ドイツ人フリーランスのお姉さん達とご飯に行ってきました。流石ラテン系の友人達、こーゆー話が大好きみたいです。「アナタの勇気には感激したわ!」とめちゃくちゃ応援されました。「雇用契約書を自分で作って提示した上に、二枚目もその場で出した。」エピソードが大ウケ。「フリーランサーは自分で雇用契約を作って相手にサインさせるべき」とアドバイスをくれたドイツ人ですら「本当にやるとは思わなかった。ガッツがすごいね!」とケタケタ笑っていました。皆、こーゆーお話が好きなのねえ。でも最大限に応援してくれて、実際にサポートしてくれて本当に有り難かった。彼らがいなければ私一人では進めなかった道、取れなかった選択です。感謝しながらビールを飲み干し、ピザも半分食べて、デザートも手伝ってもらいながら片付けました。食欲も睡眠も、ちゃんと戻ってきています。何度も体調を心配して下さる読者さんがおりました。ひぴり様、本当に有り難うございました。

そしてこのような記事内容であるからか、何件か非公開のコメントにて「ベルリンのスタートアップ企業について」のご相談を頂きました。中には個人メールアドレスを含めてご相談を望まれている方もいらっしゃり、私としても公共性が高い話題なのだと認識を強めております。当初よりお伝えしておりますし、今後も変わらない意見としては「この話題の会社の情報を公開することで会社を糾弾したい」訳ではないと言うこと。その為、個人的にご連絡を頂いたとしてもこの会社の名前などをお伝えすることは出来かねます。しかし私からお伝え出来る最大限のアドバイスとしては「胃袋で判断しよう」と言うこと。アナタが今、連絡を取っている、もしくは働いているベルリンのスタートアップ企業。その会社のことを信頼出来ますか?良い雰囲気を感じますか?時間と労力を注いでまで、関わりたい人達ですか?手元いっぱいに無駄な物を抱えている時は、新しい物を掴めにはいけません。不必要だと思ったら思い切って立ち去る勇気を持って下さい。そして本当に悩んだ時は「胃袋で判断」してみて下さい。食欲はわきますか?ワクワクしますか?私は食欲を無くしました。勤務中に未来を悲観してトイレで嘔吐ました。身体は正直です。だから悩んでいる方は、是非とも胃袋と相談してみて下さい。そして未来の為にご決断を。

現在何らかの形でご相談に乗ることが出来るプラットフォームを作れないかな、と考えてはおります。またこのブログも「面白い記事だけど如何せん、読みにくい!」と長年の友人からスッパリとしたアドバイスを頂きました。笑 退職したことで時間も出来ましたし、ブログの機能やデザインも改善して行きたいと思います。その際にお互いの匿名性を守った上で交流し易い機能があれば付け加えて行きたいですね。私は実名で記事を書いて行くこともあんまり考えてはいないので。だって失敗談ばっかりで恥ずかしいですし。。。でも、沢山の方々に助けてもらって今の私があります。私が答えられる、私個人の経験からのアドバイスや意見で良ければ、必要としている人にお渡しして行きたいです。

あと、スッゴく現金なお話ですけど、もしかしたらこのブログに広告とかも貼っていくことになると思います。。。「いい加減ブログで収入を得られるように頑張りなさい。」との意見も頂きました。確かに今後のフリーランス生活では収入源が必要です。その上でまだ「あの女の子元気かしら?」とたまに読みにきて下さる方がいらっしゃれば大変有り難いです!文字通り生活の助けになります。さて、長い長い最終話となりましたが、ベルリン最悪スタートアップとのポーカーゲームのお話は以上です。今後はもう少しベルリン近辺での労働事情に関する記事を書いて、その後は「そんなこんな言ってもベルリンって素敵な街ですよ?」とハッピーな記事も書いて行きたいと思っています。アイスの話題もだし、美味しい多国籍料理屋さんの紹介もだし、私がお気に入りのビアガーデンの記事も書きたい。素敵な所も沢山あるベルリンですから、ちゃんとそちらもご紹介して行きたいです。そちらも続けてご覧頂けましたら幸いです。どうぞ今後とも宜しくお願い致します。

ベルリン最悪スタートアップとポーカーゲーム。遂に「フリーランスでも良いから残って働かないか?」と言わせました!

結論から先に書いていますが、金曜日にこの言葉をオーナーから吐かせるまで、それはそれは長い道のりがありました。このポーカーゲームでは、女優さんみたいに徹底して表と裏を貫きました。未来の私が今日の文章を読み返して「アンタ、頑張ったのね。」と思えるように、月曜日の退職届以降の流れを書き残しておきたいと思います。

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「解雇通知予告の破棄」の約束すら反古にする、最大のキツネプレーヤーはオーナー。

今の会社は経営陣が二人いて、社長とオーナーがいます。社長は表看板ですが、裏の実権を握っているのはもちろんオーナー。辞表提出ぐらいで慌ててくれた社長とは大違いで、最大のキツネプレーヤーはオーナー。彼とのポーカーゲームに勝たないと道はありません。月曜日の辞表提出によって、火曜日の11時に設定された面談なんてもちろんすっぽかされるし、その日のうちに話し合いが行なわれるのかすら不明なまま放置されました。私も「今日はオーナーと話せなければならない」と思って気合いを入れすぎたからか、もう自分の上がりすぎたテンションだけで疲れてしまってグッタリ。怒りのエネルギーって消耗がスゴい。ココ最近は精神的にハイな状態が続いているからか、スッカリ食欲も無ければ睡眠もあまり上手く出来ないんですね。先輩にすら「顔がヤバいよ。もう、戦わなくても良いじゃない。健康を一番大切にしなさい。」と心配されてしまいました。でも午前中オーナーに話し合いをすっぽかされたお陰で、ランチタイムで一息つくことができ、自分の空回りにも気付くことが出来ました。

結局午後15時ぐらいに呼び出された話し合いでは「3ヶ月後の解雇通知は君を不安にさせたかったわけではない」との話からスタートし、「悪い話じゃないんだからさ、勝手に悪い方に勘違いしないで暴走しなくてもいいんだよ。今なら辞表も無かったことにしてあげるから。」というメッセージを受け取っただけでした。(実際はお互いに表面上は穏やかに過ごしますが、言いたいことは透けて見えてきます。)オーナーは昨日社長から話された「三ヶ月後の解雇予告通知を破棄する」という提案には一切触れず、その話はなかった流れで話を続けてきました。「ああ、この人はいつも笑顔でこの通りだなあ。」と頭の隅で考えながら、「まるで殴ってくるのに、まだ『愛している』とか言ってくるDV男みたい。」だとも思いました。何度「辞表は本気か?」と聞かれても「考えた上です。」と答えました。ここで無駄に喋っても不利になるだけなので、あまり会話はしませんでした。ただ「お世話になりました。有り難い経験でした。2週間で出来る限りの引き継ぎをしますので、業務の優先順位を教えて下さい。」とお伝えしました。社長もチームリーダーも、すっごく困った顔をしていましたが、皆がクールな振りをしようとしているのが私にとって救いでした。

オーナーだけが「辞表は預かっておくが、考えが変わったらすぐにでも話しにきてくれ。いつでも戻ってきてくれて構わないからね。」とニコニコしていました。実際に困るのはチームリーダーだし、その後は社長で、一番最後に困るのがオーナーなので、彼だけ深刻度が低いのだと思います。そして私が辞表提出の捨て身で給料交渉をしてくるとでも踏んでいるのか、私が焦って辞表を下げるのを待っているのでしょう。きっと最後の最後まではオーナーは「コイツは後で泣きついてくるさ」と余裕をかまし、直ぐに焦ることはないと思うので、私はこのまま退職の流れで進めていこうと思いました。「考えが変わったらいつでも声をかけてくれ。」と笑顔で言われたので、「ご配慮に感謝します。」とだけ答えて退出しました。私はこのキツネさんとポーカーゲームをしなければならないのです。そりゃー、体力使うわ。

 

一番の優先事項は『会社を穏便に辞めること』

上記の話し合いの中で「まさかこんなことまでするんだ〜」とむしろ感心しましたが、『辞表の正当性』も疑われました。

私が本気で二週間で退職するつもりだと分かると、社長は「あれ、でも試用期間終わっているから正社員でしょう?辞表の提出って一ヶ月前じゃなかったっけ?」とか言ってくるし、「正社員だと月末締めで辞表を提出するように設定しているから、8月の初旬に提出しても翌月の受理になるはずじゃ。」と、私の二週間後の退職の正当性を崩そうとしてきます。が、既に全部の契約内容を読み込んでいたので、三ヶ月後の解雇予告通知によって私は試用期間と同じ立場に据え置かれた為、辞表は二週間前提出でOKだし、試用期間の人間は月末締めルールの縛りも適用が無かったことを、逆に社長に説明してあげました。彼らならば「辞表の書き方が間違っていた」とか後々言い出しかねないので、「初めて英語で辞表を書いたのでもし、不備があれば訂正します。昨日付けの辞表で、何度も書き直すので、良ければ修正したものに一緒にサインしましょう。」とお伝えしました。社長もオーナーも「君の退職届にサインすることは構わないよ。」といながらも、「うーん、この文面は少し気になるなあ。」と言葉を濁してその場でサインはしてくれませんでした。「どこが具体的に間違っていますか?訂正しますよ。」と続けると、社長が「明日また一緒に書類を作ってサインしよう」と提案してきました。もう、辞めるってだけで大変なのね!穏便に辞められること、これだけでもハードルが高いことが面白すぎます。

 

スゴい余談だけど「サムライ」の異名が付いた!笑

私の辞表の決意が揺るがないことを知ったオーナーは「まるでサムライスピリットのような確固たる意思でアイツは退職するみたいだな!」と辞めていく(3ヶ月前から退職が決まっていた)先輩の日本人スタッフに相談したと聞いた時は笑いました。私、戦わずして降伏せず、の幕末の侍タイプですからね。まさか態度で伝わっていたとは!先輩も笑いたい思いを必死にこらえながら「そーだね、ビックリだねー。サムライだねー!」と受け答えしていたと言うので、なかなか曲者です。その日は「なんやねん、サムライって!」と笑いながら帰りました。きっと面と向かってNO!を言われたことが無いのか、それとも気に食わないヤツは今まで直ぐに放り出してきたにも関わらず、今回の私の件に限っては買いたたきたかったけれども逃げられる算段ではなかったので驚いているのだと思います。「理解出来ない日本の精神=サムライ」って構造が、とっても日本文化への無理解を表していますよね。

 

契約を先延ばしにされていたフリーランサー達が一気に契約(という名の囲い込み)の方向で動き出した。

またそれまで正式な雇用契約などを結ばないままに働いていたフリーランスのトレーニー達は、約一ヶ月後にしてオーナー達から契約を結ぼうとの話があったとのこと。私が抜ける以上、他の日本語話者が減っては大打撃です。せめて囲い込んでおこう、という考えが透けて見えてきます。行動が分かり易すぎる。私の退職によってチーム構成が一気に変化しましたので、ここで更に一人でも人材が減っては大打撃なのでしょう。今まで「いったいいつまでトレーニング期間なのか?」不安を抱え、話し合いも契約のことも放置されたまま「いつか貰える契約」を餌に使われてきた彼らです。会社が必死になって囲い込もうとしてきている今ですから、彼らにも是非とも、いい条件で契約を結んで欲しいものです。

 

「明日から来なくても良いよ!(2週間分の給料も払わないよ!)」だなんて、私がダマされると思うなよ。

さて、「退職の決意は固いです。」と何度も伝えた火曜日、勤務後はフラフラになりながら帰宅。もうご飯も食べられないし、シャワーだけ浴びたらとりあえず寝ました。でも無理をしすぎていたのか、水曜日の朝は発熱した上に顔も、耳の後ろのリンパ腺も腫れ上がってしまう悲惨さ。流石に出勤出来る状態ではなかったので、不可抗力ながらシックリーブ(病欠)を使いました。午後から出勤出来るかと思えばなかなか回復せず、呻きつつ寝こんでいると、なんと社長から電話。「ごめんなさい、体調不良で。」と開口一番に謝罪すると、「全然構わないよ〜。あとでオフィスに来れる?書類にサインして欲しいんだ。」との答え。うーん、明日じゃダメなのかしら。本気で吐いているんだけど。。。でもよほど大切な書類なのでしょう。「分かりました、夕方までには伺いますので。またご連絡します。」と答え、少し休んでから出勤しました。

社長は「じゃ、契約終了の書類を作ろう。」と話し始めるので、私は「退職届にサインさえして頂ければ、わざわざ新しい書類など作らなくても大丈夫ですよ。」と再度控えを提示します。「あ、君も君で忙しいと思ったからさ、早く次に行けるように『契約解除の書類』を作ってあげようと思うんだ。サインしたら、明日から来なくて良いから。」と、社長。私は「明日から私は来ないんですか?現在進めているオーダーもプロジェクトも、何も引き継げていませんが、現場はそれで大丈夫ですか?」と質問すると、「うん、大丈夫だよ。」と泳ぐような目。いやいやいや、絶対アカンでしょう。「では明日からの出勤は控えますが、私は二週間後の退職の意思を出しておりますので、最終日までお給料は払って頂けるんですよね?」と聞くと社長慌てる。「え、払わないよ。だって契約終了したいんでしょう?」嘘やん。「いいえ、契約を今すぐ終了したいと言う意思は示していません。二週間後(8月21日)に退職します、ってちゃんと日付入りで書いています。その間に然るべき引き継ぎをチームにして、退職のご挨拶と今後のご相談を取引業者様にも行い、会社のビジネスに支障が無いように作業しますと、当初からお伝えしています。もし会社の意向で明日からの出勤を禁止されるのであれば従いますが、当然ですが二週間分のお給料はお支払い下さい。」とハッキリ言いました。もうキツネなオーナーと腹の探り合いを続けていたら、本当は人がいい社長との会話なんて裏も表も無くてスゴく楽。結局社長は「そっかあ、うーん。」と困ってしまったようで、「またオーナーと相談してから電話するね。」と言って私を帰宅させました。もちろん、その晩また社長から連絡が来ることはありませんでした。

 

オーナーが出社する前に社長と話を付けてしまう作戦。「二週間後の給料を確保」しつつ「退職のご挨拶」一斉送信。

あえて社長に確認の電話を入れること無く、翌日の朝は普通に出社しました。面倒なことを後回しにする彼らですので、きっと昨日のうちに私の対処法を話し合うことは無かったと思うのです。オーナーが出社してくる前に、さっさと社長に会いに行き「お電話が無かったので今日も出社して引き継ぎの作業を進めています。緊急性の高いオーダーの整理と、新規開拓した取引先の情報の引き継ぎ資料を作成していますが構いませんか?」と聞けば「Good.(いいね。)」と単純な解答。そのままの流れで、「では退職は予定通りに二週間後と言うことで構いませんか?こちらに月曜日の日付でサインをお願いします。」と社長任意のサインを確保。(あとで「あの手紙は受け取っていないから、退職は認めない!」とか言われても困るので。)その後普通に「では退職日も確定しましたので、取引先に退職のご挨拶を本日お送りしますね。」と社長に伝え、全てに「OK」と確認を貰いました。オーナーが出社してしまえば私の思惑を勘ぐってストップをかけられるかもしれませんから、さっさと社長と話を付けてしまえばいい。退職届にはもう社長のサインが入っているので、いつ「明日から来なくても良い!」と勝手なことを言われても、二週間後のお給料は確保出来たわけです。何をされるか分からない会社なので、可能な限りの防御をしておかないと本当に安心出来ない。そして取引先への挨拶を済ませてしまうことで、退職をキャンセルすることは不可能に出来ます。とても重要なステップであったので、社長の合意のもとこの作業を行なえるのはとても安心出来ました。だって、GOサイン貰ったんだもん。

 

いつも以上に働いて、(というか分かり易くアピールして)必要不可欠な人材であることを印象づけるように心掛けました。

たまたま良い報告が出来る成果が溜まっていたので、退職決意後はメールであれ口頭であれ「新しい取引先との交渉が進んでいる」だとか、「次のオーダーはこの組み合わせがいいだろう」だとか、まあ分かり易いぐらいにアピールしながら働いていた気がします。本当は「この人は人間として好きになれないな」と思っているオーナーに対してでさえ、積極的にマーケットリサーチの情報を投げかけて新商品を提案したり、とにかく友好的に過ごしました。

そして二週間で退職なので、そこも強調しながら情報共有をして行きました。「出て行っちゃうよ〜、情報はここに整理しておきますね〜。」と言う感じ。どう考えても次に引き継がれた人が結構大変な量なので、私も本気で分かり易い引き継ぎのメモを作ったり、時間があれば直接引き継ぎの説明もしました。ただ、「あの子が残れたらチームが楽なのにね。」と思って貰えることが一番なので、「こんなにも引き継ぐプロジェクトがあるよ〜、大変だね。」というアピールでもあったと思います。(どんどん性格が悪くなっている気がする。。。)どんな駆け引きよりも、「自分はチームに必要な人材である」このアピールが一番大事だったと思います。

 

「フリーランスでも良いから残らないか?」遂にオーナーから呼び出されました。

たった一週間だけども、今週は一ヶ月分の濃度はあったかと思われる時間でした。当初は「退職届提出後すぐにフリーランス契約を提示してふっかけてやろう!」と簡単に考えていましたが、会社やオーナー達をよく知る人達から、「揺さぶりをかけられるから、彼方から追いかけてくるまで決して振り返ってダメよ。アナタが追いかけようとすると、逃げて行くだけだから。」とアドバイスをされていたため、私から一度もフリーランス契約のオファーはしたことはありませんでした。(経営陣に近い同僚達には話しておいたので、その同僚達から「あの子はフリーランスだったら残れるらしいよ。」という情報が流れることは期待していましたが。)

それは社長に「AAAみたいな商品が欲しいなら、私が以前日本で見つけてきたBBBの会社はどうかしら?このHPで商品が見れるけど、きっと好みの商品だと思う。」と新しい商品アイディアを提示した後でした。たまたま私の提案がヒットしたらしく、その後すぐにオーナー室に呼ばれました。

単刀直入に「君は販売予測とか数字には弱いけど、人とのコミュニケーションには優れていて、新規開拓が上手いよね。だから今、君をこのまま退職させたらもったいないと思うんだ。」と言われました。「君は日本人だから、一度決めたことは覆さないのだろうけど、ここはドイツだから覆してもいいんだよ。」とニコニコ笑顔で。私は「とても有り難い言葉です。すごく励みになります。」と前置きした後に、「ちょっとタイミングが遅かったかもしれません。既に今朝、社長と話し合った上で取引先の皆様に退職の挨拶を終わらせてしまったのです。だから、残ってお仕事をすることは出来ないと思います。またフリーランスでビザを考えていたので、すでに来月から別の会社で週2日の仕事の契約が決まっていす。だからフルタイムで雇用されることも不可能になりました。」と伝えました。ちなみに他の会社での契約の話はハッタリです。フリーランスビザ取得計画が覆せない状況であることを表すため。また私はフリーランス契約が欲しいけれども、この会社でフルタイム働き続けて今みたいに疲労したくはないので、せめて週3日までの出勤に収まるようにしたいと考えていたんです。私の言葉に驚いていたオーナーでしたが、「もし別で週2日しか仕事が決まっていないのであれば、残り3日はココに来て働けば良い。既に退社の挨拶を済ませていても気にするな。君は主に新規開拓とリサーチのポジションに付けば良いから、今までの仕事は考慮しなくても良い。」と譲歩されました。私としてはスーパーハッピーなオファーです。まあ、この場で「あ、そう?じゃ、実は契約書用意しているからここにサイン頂けます?」なんてリアクションしてしまうと色々とバレてしまうので、私自身も「突然のお話で驚いているので、もう一度社長も含めて、月曜日にお話しさせて下さい。前向きに考えてみます。」と答えるに留めました。オーナーも「いいよ、いいよ。」と答えて「僕の第六感がね、君を逃したらもったいないって伝えてくるんだ。オーラが語りかけてくるのさ。」と上機嫌に不思議発言を連発していました。そっか、サムライの次はオーラなのね。この会社はオーナーの第六感だけで動いているようです。流石です。

 

ポーカーゲームもラストカード1枚!相手に「勝った!」と思わせて勝つ戦略。

相手のスイートスポットはお金です。マネーマネーマネー。いくらでも安く私を買いたたきたいのです。私は自分で用意している契約書ではきっと合意は貰えないだろうな、と言う金額の時給で雇用契約の提案をしています。これはこの会社にしては高い給与基準になるので、絶対にサインされることは無いでしょう。でも、私は過去にフリーランスで働いた時の翻訳作業の請求書が手元にあるんです。その時の時給は今回私が提示する金額でお給料を頂いておりました。だから私の時給設定にはシッカリとした裏付けがあるんですね。そこを「長期契約を見込んで、ここまでなら譲歩します。」と提案します。出来るならここでサインをして欲しいです。でもきっと最低賃金ラインぐらいまでは渋られると思います。そうなったとしても、私はOKします。

何故ならば私が欲しいのは「ドイツ企業とのフリーランス雇用契約書」これだけ。コレさえあればフリーランスビザ取得の大きなアピールポイントになるからです。私が一番重要視しているのはフリーランスビザの取得です。仕事の確保や時給の件は最優先ではありません。経営陣に「最低賃金ラインまで下げさせた!勝った!」と思わせたところで、私は一番欲しかったフリーランスビザとフリーランス契約をゲット出来る訳です。ビザさえ取れたら他にも仕事を探しに行き易いですし、それまである程度の時給で生活を維持しながら、他の仕事が整えば、この会社とはすぐに契約を切ることが出来ます。契約書にも「辞職、解雇の際は双方1週間前に告知」と記述しています。だから、出て行く時はサクッと1週間で出て行けるんです。それまでプロジェクトは綿密なデータを残すことで、いつでも引き継げる状態に管理しておくようにします。相手に「勝った!」と思わせる為には、私が相手の前で「嬉しい」とか『勝った』という表情を見せてはいけないのだと思います。

 

辛気くさい話題が続くのでテンション上がる応援歌を。"What doesn't kill you make you storonger" (死ぬほどじゃない苦労は人を強くする:だいぶん意訳しました)

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もの凄いポーカーゲームをキツネのように狡猾なオーナーと進めてきたので、最後まで気を抜かずに頑張りたいと思います。これでダメになってもやれることはやったから、もういい。月曜日のラスト勝負。来週のフリーランス契約交渉が、あまり体力を消耗しないうちに解決することを願って。週末はビザの為の書類を準備。ひたすら慣れないドイツ語と格闘したいと思います。あとちょっとだ、頑張れ、自分。

 

 

賽は投げられた!ベルリン最悪スタートアップに辞表提出。腹の探り合い、ポーカーゲーム開始。

「彼らが誘いに乗るかは分からないわよ?」日独フリーランスのお姉さん、お兄さんにアドバイスを貰ってきました。

辞表提出前日に自分で英文の契約書を仕上げて、ドイツ人フリーランスのお姉さんと、日本人フリーランスのお兄さん、三人で話をしました。ドイツ人の彼女は「ドイツ企業は切ると決めた人間は切る。その上辞表を提出した、つまり『そこで働いて行く意志がない』人間を再雇用しようとはしない。どうせ再雇用しても働いて行くモチベーションが低いって分かっているからね。辞表は同時に退職が普通よ。」と私が計画している①辞表提出②交渉の機会を待つ③フリーランスの契約をオファー、の流れは危険すぎると言いました。日本人のお兄さんは「この子の会社は話を聞く限り、かなり日本人を舐めているから、まさかこの子が辞めるとは考えていない。この子の後釜もいなければ、バックアッププランも見えない。だからこの子のオファーを飲まない限り、この会社はビジネスとして今後成り立たないと思う。」と私の計画を押してくれました。私は「最悪このまま辞職になって、しばらく無職になったって良い。その時はもともとの計画通り、通訳や翻訳の仕事を探してきて働くし、どこか他に働き口がないか、フリーランスのまま頑張るよ。会社に付帯する労働ビザにはこりごりだ。会社の経営陣を一切信用出来ないから。」と伝えました。その上でドイツ人の彼女は「そこまで無計画に経営している会社があるならば、本当に驚きねえ。」と言って、最後まで私の計画を心配しつつも「じゃあ、無職にならないように頑張りましょう!」と直ぐにその場で登録すべきトランスレーター(翻訳家)のサイトや会社を紹介してくれました。このお姉さん、ガチで色々と話が早い。フリーランスになった場合の保険の話や税金の話、ドイツ人側の意見を聞かせてくれます。また日本人のお兄さんも「日本人だったらこの保険が使える」だとか「翻訳家やライターとしてKSK(アーティスト向けの保険組合)に登録出来ないか挑戦してみよう」とか、色んな手段を教えてくれます。会社に従属しない以上、今後の私の大きな障害は「保険」と「雇用=働き口」です。フリーランスとして働いてきたドイツ人、日本人の両方から同時に意見を頂けたことは、何よりも有り難いことでした。

そんな時、「本気で辞表を出すならば、2週間後じゃなくて退職日を8月末とかにしちゃえば?」とドイツ人の彼女にアドバイスをされました。「どうして8月末?2週間前に通知すれば良いから、明日(8月7日)提出したら21日には退職出来るはずだよ?」と答えると、「別に8月末に退職するってしても、会社に出勤して働く必要は無いじゃない?」とニヤリ。「ドイツ人はね、退職を決めたらまず、一気に休暇を消化するの。休暇が足りなければあとは『シックリーブ(病欠)』よ。『会社で散々な扱いを受けて精神的に参っている』とでも医者に訴えれば、一週間ぐらいは余裕で診断書が出るわ。8月末まで給料は頂いて、その間は理由を付けて出社しなければ良いのよ。」と驚きのアドバイス。「え、でも病欠届けとか、会社に提出しに行かなければ行けないんじゃない?」と私がそれでも食い下がると、「そんなもの郵送よ、郵送。別に届きさえすれば良いのよ、手渡しなんて丁寧なことをしてあげる必要は無いわ。病欠のまま最終勤務日を迎えて、そのまま給料だけ貰ってしまえば良いのよ。」と言って、そのまま『病欠の理由となる診断書を発行してくれ易いお医者さん』を紹介してくれました。

「They have shit on you, so shit on them back.(奴らが先にやってきたんだから、やり返してやれ)」とも。私からしてみれば、もう唖然。はあ〜、そんな手段があるのか。

その後彼女と別れてから、日本人のお兄さんとご飯を食べたのですが彼はハッキリと「俺達は日本人だからね。立つ鳥跡を濁さず、だよ。」と私に言いました。私もその通りだと思い、退職届は21日付けで書こうと思いました。「私、きっと31日付けで辞表を書いても、結局申し訳なくなっちゃって真面目にその日まで働いちゃいそうだから。その方が疲れちゃいます。だからこのまま2週間通知で提出します。」私が「日本人はどうしても真面目ですね〜」と話すと、お兄さんは「二週間しかないって思わせた方が良いこともある。その方が焦るし、交渉はし易くなる。」とも。うーん、スゴい。私一人だったらここまでこれなかったなあ。本当にアドバイスを下さったお二人には心から感謝しました。

(因にシックリーブの手法はものすごく一般的と言えるぐらいにまかり通っているとのことで、知り合いの話では「三ヶ月シックリーブを行使して、退職日まで乗り切った強者もいた。」とのこと。民主主義、個人主義、どんな主義の国でも良いのですが、まあ日本ではなかなか聞かない大胆な手段ですね。よく聞く話であることが、ある意味本当にスゴい。)

 

朝一番で辞表提出。全ては「会社の利益の為に」

次の日、私は辞表を2枚印刷して、それぞれに直筆のサインを書き入れました。「これを提出したら後には引けないんだ。」そう思えば怖さもありましたが、それ以上に「これ以上ビザを逆手に弄ばれたくない」という怒りのエネルギーが勝っていました。『退職まで2週間』という数字はリアリティーを持って会社にプレッシャーをかけることが出来ます。普通は勤務後に提出されるのが一般的である辞表届けですが、私は朝一番、社長が出勤したと同時に提出しに行きました。それは『退職まで2週間しかないので、一日でも無駄にしてはいけないと思うんです。今すぐに一番重要なプロジェクトとオーダーを確認して、2週間で最善の結果を模索しましょう。』と、提示しました。またビジネスの礼儀として『日本側の業者様にも退職の挨拶を始めたいので、一週間以内に後任の方を選定して下さい。最後の一週間、来週の月曜日には各業者様に引き継ぎのご挨拶を送ります。』と伝えました。つまり言いたいことは「一週間しか待たないから、退職されたくなかったらさっさとアクション起こしてね。」というメッセージです。でも私の怒りや戦う姿勢を強烈に与えてしまうと彼らに色々と準備されてしまうので、私は『本当に残念です。でも出来るだけビジネスに支障が出ないように私も最大限尽力します。』と表面上は穏やかにしていました。また「折角三ヶ月のチャンスも頂いたのに、ごめんなさい。」とも付け加えておきました。狡猾な彼らとのポーカーゲームは既に始まっているんです。常に驚かせて、焦らせ、判断を鈍らせて私の最善策まで押し込んでやりたいんです。

 

解雇予告通知が一瞬で消滅!「明日一緒にシュレッダーにかけよう!」

もちろん社長も驚いていましたが、最初は「君が決めたことならば仕方ないね。」と受け入れる姿勢を見せました。でも物事がリアルに聞こえてくると、「もし、3ヶ月後の解雇予告通知が君を不安にさせたのならば、今すぐに解雇通知を取り下げても良い。あれは君に『もう少し頑張ってね』というメッセージを与える為だったから、そこまで深刻に受け止める必要は無かったんだよ?」と言い出しました。そして「君が持っている解雇通知のオリジナルと、僕が持っている解雇通知のオリジナルを、明日一緒に持ち合わせてシュレッダーにかけよう。そしたら何も無かったことに出来る。」とまで言いました。私は「でも、解雇通知がなくなったら私の契約はどうなりますか?」と聞くと、「もちろん、本来の契約のままになるよ。」との答え。私は日数をちゃんと数えていたので、わざと「本来ならば試用期間は先週まででした。今の私は何になりますか?」と聞きました。社長は「その場合は既に今日から終身雇用になっているよ。だから大丈夫、君はもうすでにドイツの労働法で守られているよ。」と明言しました。

つまり、私は捨て身の辞表を提出することで三ヶ月後の解雇通知をひっくり返したばかりか、試用期間も終了したので、今後はドイツの労働法に守られる立場へと上昇しました。本当に、捨て身のポーカーゲームで、良いカードが回ってきた、という状況です。でもね、口約束なんて信用出来ません。私は「また明日、オーナーを含めてお話し出来ますか?」と聞きました。「それまでは、辞表は日付もこのままにしておいて下さい。」とも。

物事が終わるまで、簡単に書類を破棄したり、渡してはいけません。今、私が三ヶ月後の解雇通知の紙を破棄してしまえば、自動的に「2週間前通知の辞表」の意味がなくなってしまうのです。正規採用となれば簡単に首が切られないのと同時に、辞める際にも一ヶ月前の辞表提出が義務づけられます。だから、私は解雇通知を破棄するつもりがありません。この通知のお陰で私は『二週間以内で決着させる』という戦略を立てることが出来たのですから。「解雇通知が二週間前」と言う期限は私を不安にさせるには充分なプレッシャーでもありましたが、同時に会社にも「二週間」というプレッシャーを与えることに成功しました。また、私は試用期間の終了となるこの月曜日を待っていたので、意を決してポーカーゲームを仕掛けたのです。悔しい気持ちを抱えながら今日までカードを用意してきました。そのカードの一枚一枚には、その背景に協力してくれた友人達がいます。全てのカードを適切に、大切に切って、私は最終目標の「フリーランスとしての契約を勝ち取り、それをレファレンス(推薦状)の一部として利用することで、確実にフリーランスビザを取りに行く」ことを達成したいと思います。

 

「週末に何本の電話をかけたか分からない」チームメンバーに“フリーランスビザ取得の意味”を印象づける

さて、最後に私は心を痛めながらもチームメンバー(日本市場以外の買い付けチーム)に辞表を提出した旨を伝えに行きました。それには2つの理由がありました。表向きには(これも嘘ではないけど)「私が退職することでチームに与える影響を考え、出来るだけ早いうちにチームで対策をとれるように話し合いたい」から。そして本心としては「チームメンバーに私がフリーランスビザを申請している背景事情や理由(彼らに聞かせたい内容)を理解してもらい、その上でチームから経営者に『フリーランス雇用でも何でもいいから、しばらくは彼女を残せ』と水面下から話して欲しい」ため。彼らは本当に悪い人達ではないし、今から一緒に頑張ってチームを作って行こうとやっと動き出したところでした。私も彼らに認められるように、終業後はどんなに忙しくフリーランスビザの為に動き回ろうとも、就業中は全力で働く姿勢を見せてきましたし、最大限のコミュニケーションと協力体制を示してきました。なので、彼らも私が苦肉の決断をしたことは分かっていますし、そんな彼らに『コイツが抜けたらチームビルディンが崩壊する』と思って欲しかったのです。

経営陣は私の働き方や内容を過小評価してきます。でも身近なチームメンバーはどうでしょうか?彼らが経営陣に直訴すれば、経営陣も『他の奴らに無理をさせて働かせればなんとかなるかな〜』というアバウトな考えで私を切ってくることはなくなると思うのです。だからここで身近なチームメンバーに話しておくべきだと思いました。もちろん本心から話せることは話しましたが、伏せるべきカードは次のタイミングまでは伏せています。とりあえず、彼らは私に対して同情的ですし、一緒に経営陣に無茶を言われてきた彼らです。私の行動だって理解出来ないわけじゃない。私は「最大限可能性がある道を模索して動いている。」と話しますし、彼らは「正規雇用はものすごいチャンスだから、感情に流されずに今は冷静になれ。」と諭してきます。「会社を辞めてどうするのだ?」との質問をしてくれたので、私は「フリーランスビザ申請の為に、既に動き出しているから頑張る。」と答えました。彼らもドイツの厳しさを知っているので「フリーランスは止めておけ、良いことは無いぞ。」と止めてきます。私がここで出したかったカードは「フリーランス取得の為に既に動いてしまっていて、多くの友人を巻き込んで何とか進んでいること」と言う事実です。私一人だけの問題ではなくすることで、私個人の判断だけで覆せないことを伝えました。「友人の会社と既に話がついているから、きっと辞めても頑張って行けるよ。」と伝えることで、逆に「フリーランスで頑張るから、会社に残る道はない」と示しました。

(この後、彼らは実際に社長室に走っていって『あの子が辞めないように、日本人チームの待遇をもっと考えてくれ』と社長に意見していたとのこと。『なんであの二人がイキナリ協力的になったの?』とその場に居合わせた経理のお姉さんが不思議に思ったようで、社長室での出来事を翌日教えてくれました。思惑通りと言うか、単純な事実として『彼らが彼らの利益の為に行動した』だけだと思います。だって本当に、彼らだって忙しいのに、これ以上他の仕事を引き受けることは出来ないのですから。)

次のカードは最後の「フリーランスビザしか考えていないので、雇用するならばブリーランス契約を結んで下さい。」ということ。また友人の会社との兼ね合いを引き出しに、値段も勤務日も交渉します。まだカードは残っているので、上手にこのポーカーゲームを乗り切って、そして最後には私が欲しいものを、この手に掴みたいと思います。

 

TAKE IT ALL!! BE INDEPENDENT!! (全部つかみ取れ、従属するな!)

こんなに強気に書いていても実は心のどこかで声がするんです。「もう、充分だ。既に正規雇用を勝ち取ったし、もしかしたら少し給料も上げてもらえるかもしれない。ビザだって確実になった。だからもう戦って『ビザ無し職無し』のリスクを取る必要は無いんじゃないか。」って。でも、心のどこかでは最後まで戦いたい自分がいる。だから大好きなアメリカの友人に電話してみました。彼女はもう、まさにアメリカンドリームを地で行くタイプなので、基本的に『人生と戦う』タイプ。彼女に「勝負の直前で怖じ気づけないようにアドバイスが欲しい」と弱音を吐くと、「TAKE IT ALL!! BE INDEPENDENT!! (全部つかみ取れ、従属するな!)」と励ましてくれました。つまり、会社に従属すれば目下のビザもお金も手に入るが自由がないと。しかしこのまま戦えばビザも仕事も自由だって手に入る可能性が残っている。彼女は「You are bad ass, go get all! Take it all! (アナタはイケる、やっちゃえ、全部とってこい!)」と私を鼓舞してくれました。うーん、流石自由の国、アメリカって感じですね。とても分かり易くていいと思います。良い人に電話しました。

 

“If we burn, you burn with us!” (私達が燃え去るのであれば、アナタだって共に燃える運命よ)

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さて、次はポーカーゲームの続きをご報告したいと思います。きっと金曜日までは揉めると思うので、週末に何か(できれば望んだ形での)報告が出来ればいいな、と思います。

もし上手くいかなかったとしても、今の会社では過去誰一人としてここまで戦った人はいなかったんです。(事情と戦略を知っている数少ない)ドイツ人の同僚ですら「アナタは強い。私はココまで捨て身で戦えない。」と言ってきました。ドイツ人の彼女だって、この会社から契約書を貰うまでに4週間も宙ぶらりんにされたし、今だって会社が良い場所ではないと分かっているから頑張って転職活動しているけど、ドイツ人の彼女ですら転職活動が上手くいかずに苦しんでします。(今のベルリンは本当に就職難です。私も今後、再就職出来るか、フリーランスとしての仕事が見つかるか、別の戦いがすぐそこに迫っております。)本当に、このような状況で苦しんでいるのは外国人だけではない。ドイツ人だって苦しんでいる。ただし、外国人の方がより酷使されるし、より弄ばれています。私は強いんじゃない。怒っているんです。理不尽や不当な扱いを受け入れることが出来ない。ここで最後まで戦うことが出来たら、きっと今後も頑張って行けると思うから。どんな結果になっても、その道で頑張ります。

 

最後は私の頭で永遠にリピートされている、ハンガーゲームの有名なカットニスの演説シーン。

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最後の台詞“If we burn, you burn with us!” まさに「死なばもろとも」。

別に私自身を過大評価しているのではなくて、事実として今私が抜けたら誰もオーダーや業者様の情報を管理出来なくなる。このまま二週間でやめても良いのですが、ビジネスに損失を与えたいなんて思っていません。でもこのまま徹底的に押しつぶしてくるのならば、台詞通り、一緒に燃えてしまえば良いでしょう。私は燃えカスになる前に撤退致しますので、後は会社として何とかして下さい。(このあと八つ当たりされるであろう同僚達がとっても可哀相。コレばっかりは、私の力では救えないので、無念です。)きっと週末まで無茶苦茶なことを言われたり苦しめられたとしても、このカットニスの言葉を胸に、強くありたいと思います。

ベルリン最悪スタートアップの手口公開。「試用期間を出来るだけ長くして安く人材を使い倒したい」時に提示してくる悪魔の契約。

私がされていることに関して

私は2月初旬に採用された際に「6ヶ月の試用期間を経て、その後正規採用になります」という契約を結んでいます。その為半年後の8月初旬(6日)を過ぎれば自動的に正規雇用となり、ドイツの労働法でも守られる正社員の立場になれるはずでした。そこから一点、正規雇用直前の一週間前(8月1日)、突然に「三ヶ月後の解雇予定通告(11月1日で解雇)」を渡されました。つまり、実質的な試用期間の延長ですし、また同時に労働者としても立場が弱いポジションのままに置かれました。また違法性を訴えようにも、法の抜け道を使って対応されているので、彼らの違法性を証明することは難しく、本来であれば泣き寝入りするしかない状況となりました。

本日は日本ではあまり馴染みの無い「試用期間(独語:Probezeit プロベツアイト)」について説明するとともに、最悪なスタートアップ企業がどのようにして学生や若いドイツ人、また外国人を酷使しようとしてくるのか、その手口を公開したいと思います。悔しいことですが、ベルリンのスタートアップの中で他にも同じ状況で苦しんでいる人がいるとのこと。私が今まで助けられてきた人達から集めた情報をココで公開することで、少しでも多くの人が同じような状況から抜け出したり、その異常性に気付いて早く次に移動することが出来るよう、行動を始められるよう、警告をならす意味でも書き残していきたいです。興味がある人はどうぞ、読み進めて下さい。ベルリンのキラキラした生活だけじゃない、別の側面をお話ししたいと思います。

 

友人達が集めてきた「Probezeit試用期間」に関する法律に関して徹底的に情報公開します。

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https://www.computerwoche.de/a/wie-kann-man-die-probezeit-verlaengern,236646

 

—Probezeitとは何なのか?

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ドイツの法律では新人の雇用に関して正社員としての採用の前に最大で6ヶ月の「試用期間(独:Probezeit)」を設けることが認められています。この間の契約では正社員ではないので、ドイツの法律で定められている労働者の権利は守られにくくなっています。これは双方にとって利益でもあります。もし「この仕事合わないな」と思う新人さんがいれば「ごめんなさい、辞めます。」としかるべき日数内で申し出て、スッと退職することも出来ますし、逆に雇用主側も「この子をトレーニングしても仕方ない」と思えば定められた日数内に通知し、「君を正規採用することは無いから次に行きなさい」と人材をリリースすることが出来ます。

が、そもそも悪用されている、といえば聞こえはとても悪いですが、悪用とも取れる事例を良く聞きます。まず、試用期間にしては正規雇用の人材と何ら変わりのない仕事内容を任され、責任も負わされていたりすること。また試用期間内で結果を出して認められようと頑張る労働者側に対して、もっともっとと過度のプレッシャーをかけること。もちろん雇われています。お仕事します。頑張って結果は出しますが、天井知らずの結果を求められても終わりはありません。そして使い倒して、使い倒して、やっと認められたら正規採用です。この正規採用までに至る試用期間は1ヶ月でも3ヶ月でもいいのですが、最長で6ヶ月間と定められています。

 

—Probezeitの延長は認められているのか?

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6ヶ月以上に及ぶ、試用期間の延長は認められていません。1ヶ月であった試用期間を3ヶ月に延長することで様子を見ることは可能ですが、6ヶ月に設定していた試用期間をそれ以上に延長することは違法です。また試用期間であれ何であれ、解雇や延期に関しては定められた期間内に行なわれるべきとなっています。例えば、互いに辞職や解雇が2週間前通知となっていれば、退職する側も2週間前に申し出る必要がありますし、また解雇や延長をしたい雇用主側も試用期間が終わる2週間前までには通知する義務があります。

また試用期間を6ヶ月を超えて延長したい場合、延長された後の仕事は以前の仕事内容と異なっている必要があります。例えば、ライターとしての試用期間を送ってきた人が、同じ社内での営業のチームに入りたい時。確かに仕事内容が違うため、新しくトレーニングする正当性がありますよね。このような場合では同じ会社内であっても、試用期間を延長することは可能なようです。

下記に試用期間に関する3点ルールをまとめます。

①試用期間は原則最長で6ヶ月まで

②延長する場合は以前と仕事内容が異なっている必要がある

③延長するにも、決められている日数以前に通知すること

もしコレらを守っていない企業があれば、違法性を疑っても良いと思います。「何かフェアじゃない、おかしいな。」と思った時は、頼れるドイツ人か、法律に詳しい人に相談してみて下さい。

 

—違法にならないでProbezeitを延長したい場合、企業は何が出来るのか?

ではここで、私のケースを見てみましょう。まずは先ほどの3点ルールです。

  • 試用期間は原則最長で6ヶ月まで

→すでに6ヶ月が経過しているので原則不可。

  • 延長する場合は以前と仕事内容が異なっている必要がある

→ほぼ同じ仕事か、何だったら以前以上に大変なポジションで働くことになる。

  • 延長するにも、決められている日数以前に通知すること

→私への口頭での通知が1週間前、文書での通知が5日前でした。契約書には「2週間前に通知」の義務が明記されているので、本来であれば3点ルール全てに違反し、違法なやり方となります。

ここで登場するのが「企業の顧問弁護士」ですね。狐のようにずる賢い企業は高いお金を払ってでも弁護士を雇っています。(そのお金があるのであれば、どうして社員に還元しないのか。。。)この弁護士のアドバイスのもと、私の会社は以下のような方法をとってきました。

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はい、私への「3ヶ月後の解雇予告通知」です。これを渡すことで「解雇の通知は実際には3ヶ月後になるので、2週間以上前に告知したことになる」為に合法です。また「解雇しているので試用期間の延長ではない」為、こちらも合法になります。また同様に解雇されている為、仕事内容が同様で合ったとしても違法性は生まれません。むしろ「3ヶ月も前に解雇通知をくれるなんて優しいね。」という建前が爆誕するのです。怖い!コレは実際に私がされた手段ですし、本当に身体が震えました。今の現状として、私は「3ヶ月後に解雇される」身でありながら、身分としては「試用期間としての契約内容」を引き継いでいる、ということ。もう、スゴすぎて逆に感心しました。法律って必ず抜け道があるんですね。

 

Probezeit後の解雇予告、その後に再契約を交わすことのリスクは何か。

私の雇用契約と解雇予告通知の2つを読み込み、そしてドイツの試用期間に関する法的な文献を沢山読んでくれたドイツ人の友人が言いました。彼は最初に一言「まず、何も希望を持たないことだね。」と。「この会社は、すでに君を解雇しているから、たとえ3ヶ月後に働きぶりを認められて再度雇用契約を結べることになっても、彼らはまた合法的に君に試用期間を課すことが出来る。つまり、君は永遠に酷使されてしまうんだよ。」彼はなんとか私を励まそうとして、「まあ3ヶ月の猶予を貰えるんだから、頑張ってその間に次の仕事を探して転職してしまうことが一番良いよ。もちろん奴らも2週間で君をクビに出来るけど、君も辞める時は2週間で出ていけるんだから良かったと思わなきゃ。まあでも、頑張って働いている姿勢を見せないと首を切られてしまうし、転職活動を同時平行にするからって、仕事の手を抜いたらまた首を切るぞって脅されちゃうからねえ。」と、私に説明しながら私の状況の厳しさを実感していくようで、「うーん、大変だね。」と同情してくれました。「奴らは狐さ。スマートでズル賢いのさ。この記事にも載っている通り、唯一の法律の抜け穴を使ってきているんだよ。」悔しいけど、私はやられてしまったのです。

皆さんも、何かがおかしいと思ったら調べてみて下さい。そして証拠になるかは分かりませんが、こちらの記事、ご自身の契約内容、をドイツ語が分かる人と一緒に熟読してみて下さい。

 

因に法律に関する記事はコレです。

改めての掲載となりますが、法律に関する記事はコチラです。ドイツ国内でも「試用期間で酷使される若者」の現状は問題視されており、その点に関して法律的観点からまとめている記事だそうです。全てドイツ語ですが、もしドイツ語で興味がある方はご覧下さい。

www.computerwoche.de

 

私は、たった月額400ユーロで買いたたかれた。

そもそも、この企業は私に何故こんな仕打ちをするのでしょうか?本当に仕事内容や私の性格に不満があるのであれば、さっさと放り出してしまえばいいのです。それをしないのは、単純に代わりがいないから。また、買いたたいても買いたたいても言うことを聞く、立場が弱い外国人だと思っているから。彼らは私に個人的な恨みも無ければ大した興味もないと思います。シンプルに、お金です。会社としてお金を節約したいので、買いたたける人材はトコトン買いたたきたい。本来であれば正規雇用し、また昇給だって考慮しなければならない段階になっても尚、私を買いたたきたい。そのような時にビザのタイミングもありましたし、丁度いいからブチ叩いてみたのだと思います。ビジネスなので、コストを抑えて利益を出したいのでしょう。私が仕事を引き継ごうとしている先輩との給料の差は400ユーロです。(先輩の給料もものすごく安く押さえられていたと言う事実もありますが)日本であれば高校生が一ヶ月で片手間にバイトするぐらいの金額を抑えたいが為に、私はビザ更新前にここまで心も体力も削るほどに企業側のカードで遊ばれました。

もちろん、会社経営はビジネスであり、雇用される以上には当たり前の事実として受け入れなければならない部分も多く、逆に雇用される有り難さも沢山あります。ただ、同じことがドイツ人にも起こっているのか。EU出身者にはどうでしょうか?ビザが欲しい、という部分に目をつむれば、人間は自尊心をどこまで下げなければいけないのでしょうか。彼らを満足させられなかった私のスキル不足も経験不足も責められてしかるべきです。ただし、あまりにもやり方が納得出来ない。だから私もカードを集めて、彼らと同様にポーカーゲームを始めることにしました。ポーカーゲームの内容や状況については、また次回報告したいと思います。

 

公共性の高い情報は英語でも発信して行きたい。

今回の図式は全て日英で作っています。いつになるかは分からないけれど、今回のようにベルリン(もしくはドイツ全土)で起こっている「試用期間 “Probezeit”」の問題に関しては、きっと知らないままの外国人が多いと思うのです。泣き寝入りしてしまっている人達の為に、ヒントとなるような情報だけでもお伝えしたい。私が「どうしてこんなに一緒に頑張って私の契約書を読み込み、試用期間や資料を探してきてくれるのか?」と聞いたところ、「アナタだけの問題じゃないし、ベルリン全体で起こっていることだから。だからアナタがつかんだ情報は全て、他の外国人の友人にも回してあげて。」と言われました。だから色々と落ちついたら、今回の経験で学んだことをきちんと英訳して、英語でも情報を残そうと思っています。もちろんこれらの情報は、私と私の友人達が有志で集めたもので、私達の中で法律を学んだ人はいません。(よくアドバイスをくれる友人の友人とかが法律を知っているようですが)ですので、確実なことは是非とも専門家にご相談下さい。今回の情報では、何かのヒントだけでも御伝え出来たらというものです。一人でも多くの人が、悪魔の契約から抜け出せますことを願って。

 

 

何を持って「最悪」を定義するのか。—ベルリン最悪スタートアップで解雇予告通知を渡されて労働ビザの可能性を示されても、自尊心がソレを拒絶した。—

まだまだ続いております、「ベルリン最悪スタートアップ」編。早く好きな映画が見たいし、ボルダリングも登りに行きたい。今だったら一日4本続けて映画見ても絶対飽きないし、ボルダリングだっていきなりグリーンレベルも制覇しちゃうぐらいの勢いでエネルギーが体中に満ち満ちています、が!そのエネルギー全てはビザ取得の為に。そして今後の生活を勝ち取る為に全てエネルギーを注いで行きたいと思います。

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「ベルリンってよくよく考えてたら傷だらけの街だよね。」

そう考えたら、必死で戦う私にはお似合いな街にも思えてくるから不思議です。

 

水曜日の朝に経理担当者から「3ヶ月後の解雇通知予告」を受け取りました。

「今後はフリーランスビザでやって行こう!会社とはフェアな立場で働いて行くんだ!」と決意した火曜日から一夜明けてからの水曜日。出社するといきなり経理さんにオフィスに来るように呼ばれました。そして泣きそうな顔で「I’m so sorry.(本当にアナタに対して申し訳ないわ)」との言葉と同時に、タイトル通りの紙を渡されました。え?三ヶ月後?どうして経理担当者が私に渡すわけ?What? Why? 疑問が沸き上がるままの急展開ですが、「ああ、金曜日に言っていた『三ヶ月間だけ試用期間を延ばしてやる』っていうアレか。」とすぐに納得がいったので、「ねえ、『受諾=納得しました』って形じゃなくて『受領=受け取りました(受け取っただけ)』って形でサインする仕方を教えてもらえる?」と経理のお姉さんに聞きました。彼女は私が金曜日に何を言われたのか既に知っているので、もの凄く怒りながらも「社長のサインの下に『Erhaltem am 日付、サイン』って書いたらいいわよ。」と教えてくれました。私は「分かった」と言って、その場でペンを借りてサインをしました。普段から仲良しの経理のお姉さんは「こんな仕打ちは間違っている。そして私がこの通知を渡すべきではない。私の仕事じゃない。社長自身か、せめてチームリーダーから渡すべきよ。」と気丈に振る舞う私に更に涙を誘われたようで、「私だってこんなことさせられたくないわ。契約書にこんな仕事内容は書かれていない。私だって違法な指示を受けている。」と泣いていました。「違法な指示は、全て画面をスクリーンショットして、プリントアウトしておいた方が良い。」とお姉さんに言うと、「うん、今までのSlack(社内コミュニケーション用のチャットシステム)の会話記録で違法性がある指示は全て既に証拠として保存しているわ。この件も、もちろん証拠として取っておく。」と言ってやっと笑顔を見せてくれました。流石!

この会社では私だけじゃなくて本当に多くの人が会社のストレスフルな指示や違法性のある指示に疲れ切っています。私個人のブログでこの会社の違法性を追求したいわけではないから記述は省略しますが、やっぱり人間は性善説なのかな。「違法な指示を受けて平気で実行出来る人」なんてそうそういません。精神的な不健康は、もちろん身体的な不健康として身体に表れてきます。経理のお姉さんは、いつも目の下にクマを作っていました。ポーランド出身の彼女はそれでも「ポーランドで働くよりもマシよ。」と言います。私はポーランドの大変さを詳しく知らないけれども、それでも何かが間違っているとしか思えない。だって彼らが「ポーランドで働くよりはマシ」と思ってくれている限り、会社は「ポーランドには帰りたくはないだろう、ベルリンで働きたいんだろう?」と何だって彼らに押し付け続けるのですから。

 

辞表を書く前に、会社で一番信用していなかったチームメンバーと腹を割って話した。

本当は話すつもりも無かった。私が辞表を出した後に、「えー!日本チーム崩壊じゃん!」とイキナリ困れば良いとすら思っていた。だってそれぐらいに買い付け担当チームとして破綻していたから。買い付け担当チームの「日本市場以外チーム」が一応のチームリーダーとしての権限を持っているのですが、一切チームビルディングの機会を取ろうとしない。今後の方向性だって示してもらえない。チームを形作りにおいて、誰かが抜けるのであれば必死になって再構築しなければ今後対応出来ないのに、一切今後のプランを作らない。長年勤めた先輩が去る2週間前でもこの有様。私が去ってしまえばどうなることやら。「勝手に慌てればいいよ、バカ!」みたいに内心怒りのエネルギーで爆発していたのですが、そんなのとってもアンフェアだ。彼らは悪い人間じゃない。仕事に必死で本当にそれ以外のことを考慮出来なくなっているだけかもしれない。彼らだって苦しくてどうしようもないのかもしれない。だからアンフェアなことはしたくなかったので、彼らと話すことに決めました。

最悪な水曜日を過ごした翌日、社長との「書類の内容に関する話し合い」のミーティングをすっぽかされた(もう今更驚きもしない)私は、契約書を持って彼らに私の状況を説明しに行きました。社長から解雇の書類を受け取ったこと、ビザが今月末で切れるが、労働ビザの申請には「1年以上の雇用契約書」が無ければならないので「三ヶ月後に解雇される」身ではビザの申請も出来ないので、そもそも月末以降はドイツにすら滞在出来ないこと。(心の中では「まあ、フリーランスビザ申請して何とか滞在してやろう」と思っていたからコレはハッタリなのですが。)

「9月には日本出張を控えている。それに先輩が退職する今、日本側の取引先には引き継ぎの挨拶を始めてもいる。しかし、この状態では出張に行く以前に来月からの労働許可も滞在許可も取れなければ、そもそも働き続けるかも分からない人間が日本側との取引に挨拶をして関わって行くことは出来ない。」とチーム構築上、というか今後のビジネス上発生しうる問題点を指摘しました。その上で、「これ、チームとしてはどうやって対応するつもりですか?会社としてはどんなプランを持ってして、私にこの紙を渡したんだと思う?」と彼らの意見を聞きました。

彼らは慌てて「何事だ!?」と私が「読んでくれて構わない」と手渡した私の雇用契約書と解雇通知予告(って何なんだよ、そもそも『予告』って!笑)の書面を読み始めました。すると「なーんだ、安心した。」という顔になって私に「大丈夫だ、慌てるな。」と話しだしたのです。

「まず、この『解雇予告通知』は本来だったら与えられない。普通に不満があれば会社は『もう働いて欲しくないから一ヶ月後に辞めてくれ。』といって『解雇通知』を渡してくる。これはまだ君に『期待してくれているから』なんだ。それに、こんなに良い条件の契約書はなかなか手に出来ないぞ。本契約書(働き始めた時にサインしたもの)には雇用期間が書かれていない。『Dieser Vertrag tritt ab 日付(私が働き始めた日) in Kraft und wird auf unbestimmt zeit geschlossen(この契約日より、この契約は無期限で有効だ)』って書いてあるじゃないか。こんな契約書を最初から手に出来る外国人はなかなかいない。コレさえあれば、まず銀行から融資だって受けられるし、条件がいいローンだって組める。」契約書を手に、この契約書がドイツ社会で持つ意味合いと、そして会社が持つ意図をポーランド出身の同僚が説明してくれました。またドイツ人の同僚が更にビザ申請について話してくれます。

「この契約書さえあればビザぐらいすぐに通るぞ。だって雇用期間が限定されていないからね。会社が提示した『解雇予告通知』なんて外国人局には提出しなくても良い。そのままビザを申請してしまえばいいんだ。」つまり、三ヶ月後に解雇される身でありながら、そのまま当初受け取った労働契約書を持って申請に行けば労働ビザは発行されるだろうと説明してくれます。ドイツ人の彼が買い付けチームのリーダーに当たるので、私が「ビザのことも、解雇通知のことも理解しました。では、チームビルディングに関してはどのように考えているの?」と質問すると、彼は苦しそうに答えました。「君たちの日本チームは破綻しているから、失敗ばかりで満足な結果が出せていない。これからチームを再編するにあたって、君にもう一度チャンスを与えたいと思っているんだよ。」と社長に言われていることをそのまま伝えてきているようでした。更に甘い蜜のように「大丈夫だよ。解雇されるまでの3ヶ月間の間にもう一度結果を出して君の価値を認めさせれば、新しい雇用契約を貰うことが出来るさ。」と言って私を慰めました。彼らは悪い人達ではないし、一生懸命私の状況を良いように捉えようとしているし、会社に対しても「ビジネスは厳しいから、雇われている以上必死になって働いて、雇用している人に恩返しして行かなければ行けないよ」と私に諭そうとしてくれました。言いたいことは分かるし、その通りな部分もあると思うんです。

でも彼らは社長に近い位置にいて、会社の経営判断やチームへの方向性だって(私には一切明かすことも無く)直ぐに知ることが出来て、どんな変化が起ころうともある程度は安心して働いて行けることが出来る人達です。またEU出身者なのでビザだって問題はありません。最悪、雇用がなくなってもベルリンから退去する必要がないのです。結局、日本語がわからない社長や経営陣は、日本語で取引先とやり取りをしている私達日本人チームの報告を信じて経営判断を下して行かなければならないので、彼らが気に入らないネガティブな報告をせざるをえない時、その結果を受け入れたくない時は尚更、『日本人スタッフが会社に損失を与えようとして嘘の報告をしているのではないか』とか、『あいつらは結果を出していない。』と私達を信用しない=評価しない、という思考サイクルを持つようになっていたのです。日本国内でも希少価値が高く、ましては700円で仕入れ価格が安定している商品を、信用関係もまだ薄い海外の会社が300円で買い付けることが出来ないと言うことを全て『気に入らない報告』で片付けられてしまっても、本当に困るんですけどね。この無茶ぶりを二年間耐えてきた先輩ってスゴい、っていうか本当に耐えないで欲しかった。。。先輩は二年経って体重が2/3に減っていますからね。

結局彼らとの会話が終わってから、私の心のモヤモヤはぬぐい去ることは出来なかったけど、私には一つの情報が手に入りました。「なんだかんだ言っても、労働ビザは申請出来るらしい。危ない橋を渡ってフリーランスビザを無理矢理取りに行くよりも、このまま長いものには巻かれて、大人しく労働ビザで申請した方が良いのではないか。」この労働ビザの可能性は、私をとても悩ませました。

 

「アナタの為なら何だって協力する」と即断してくれた友人の言葉「今すぐ会社を辞めること自体がリスクじゃないのか」

私には東京でバリバリの外資系で働いている親友がいます。彼女とは本当に付き合いが長くて、辛い時には支え合って助け合って生きてきました。実は前に一度、今の仕事に関して相談をしていたのです。その際に今の会社がとても信用出来ないこと、そして転職活動が上手くいっていないことも話していました。

彼女に現状を伝えて、声を振り絞って「何かあった際には、頼らせて欲しい」とお願いした時、彼女は「分かった」と即断してくれました。「アナタの為なら何だって協力する。」と。申し訳なくて、情けなくて、何よりも悔しくて。涙が溢れて止まらない私に、彼女は冷静さを欠かないようにと諭してくれました。

「まあ、焦ってもしんどいだけだし。淡々とやることをやって自分がなりたい方向に持って行こう。大変かもしれないけれど、あなたには帰ってこれる国も家もあるし、変に気持ちを崖っぷちに追い込まなくてもいいんだよ。まずは120%ビザを確実に取る為に必要なこととリスクを洗い出す。今すぐ会社を辞めること自体がリスクじゃないのか、冷静に考えた方が良いよ。今すぐ出たい気持ちは分かるけど、使える部分は会社を利用しないとね。職無しでビザなしになったら余計に焦ってしまうからね。」そして数時間後、「あなたには帰ってくる国も家もあるんだから、帰国したとしても日本で仕事が見つかるし、大丈夫だよ。」と励ましのメールが改めて届きました。「帰国したっていいんだ」そう思えることは大きな励みとなりました。

フリーランスビザ申請は明らかな博打。真剣にフリーランスとして働いてきた人達をバカにしていないか。

フリーランスのビザを習得するにあたって、必要となる書類は沢山ありますが、一番は何よりも推薦状が必要となってきます。具体的に「彼女には将来的にこのような仕事を依頼して働いてもらうつもりですよ。毎月コレぐらいの金額の仕事をコレぐらいの期間、請け負ってもらうつもりです。」と日本やドイツの会社、もしくは個人から推薦状も頂いておく必要があります。これはハッタリでも有効です。会社や個人の経営状況も変わりますので、実際に仕事が発生するかは審議されません。推薦状がある、この事実が大切なのです。目標としては4枚ぐらい集めたら良いとのこと。推薦状を書いてくれそうな個人事業主さんや会社の方に、これからお願いをしてみなければいけません。推薦状が一ヶ月で何枚集まるのか。これは博打としか言えません。

でもね、私もしフリーランスビザが取れたとしても、その後の生活の保障が一切無いんですよ。仕事だって一応は辞表を出したあとの会社の反応は伺いますが、その後「さっさと出て行きやがれ!」とキレられる可能性だってありますし。彼らがフリーランス契約のオファーに乗ってくるとは確信はありません。だから東京の親友に諭された「職無しでビザなしになったら余計に焦る」という現状が最悪です。その時、今日のテーマ「何を持って最悪を定義するのか」の答えは、「ビザ無しで職無しになること」だと思いました。

そして私がやってしまおうとしている方法は、ものすごく失礼なことだと自覚しています。ベルリン移住を目指した当初、沢山参考にさせて頂いたベルリン在住のブロガーさん、ライターさん達の記事から垣間みても「フリーランスでやって行くことは簡単では無い」し、そもそも「ものすごく準備してビザ申請に取り組んでいる」ことが分かります。私がハッタリや他の人達の協力を得てビザ申請を行なおうとしていることは、端から見たらものすごく「ベルリン在住の既存のフリーランサーの方々をバカにしている」、そう思われてしまうのではないかとも危惧しています。自分が必死すぎて周りが見えなくなる、そんな状況にも陥り易いけれども、ここでハッキリお伝えしたいのは「他の選択肢が無いから全力でフリーランスビザを取りにいこうとしているけれども『一ヶ月で取れちゃったよ、ちょろいな!』みたいに、決して既存のフリーランスの方々をバカにするつもりは無い」ということ。本当に、他の選択肢が現状ないので、このまま突き進むしか無いんです。だから先日からの投稿でもし気分を害されたフリーランスの方がいたら(現在まで苦情を受けたりはしていないのですが)私にはそのような意志はないと言うことだけお伝えしたいです。それ以上にもう、尊敬と感謝しか無いので。ネット上にて沢山の情報提供を本当に有り難うございます。

 

信頼出来ない、安心出来ない。「昨日の話」と「今日の話」と「明日の話」が違う。それでも確実なビザの為に会社に残るのか?

火曜日に「フリーランスビザ取得を目指そう!」というアイディアを持ちました。水曜日には「三ヶ月後の解雇通知」を渡されました。木曜日には「解雇通知を受け取ったとしても、労働ビザ申請には支障はない」との情報を得ました。ここにきて私には「確実な労働ビザ取得の為に会社に帰属するのか」それとも「不確実(推薦状もまだ集まっていないし、その後の仕事の当てもないし)な未来が待っているフリーランスビザ取得を目指すか」重大な二択を迫られることになりました。

「何を持って最悪を定義するのか」この一点に絞れば「ビザ無しで職無し」の状況が最悪なので、頭を冷やせば、まずは「確実なビザ=労働ビザ」をこのまま申請に行くことだと思います。

木曜日の時点ですべての情報や知恵が集まって、眠れない夜を過ごしました。どうすればいいのか。個人の気持ちや感情に左右されて、博打を打つべきなのか。それとも、ここはグッと冷静になって、まずは労働ビザを申請して、耐えながらも3ヶ月の間に転職活動を必死で行なうのか。目の前には「確実な労働ビザ」がぶら下がっていて、その横にはちょっと遠くに「不確実なフリーランスビザの可能性」が輝いています。推薦状を書いてもらうにも、誰かに迷惑がかかるかもしれない。自分の感情の為に、多くの人を巻き込んでいいのか。

「確実な労働ビザ」さえ取得してしまえば、きっとまた一人で頑張れるはず。皆は既に助けてくれたから、もう少し自分で頑張ってみよう。そう決意して金曜日の朝、私は会社に行きました。いつも以上に働いて、ランチタイムではこっそり会議室で泣きながら、パンを食べても吐き気がしてトイレでもどしたりして。「なんでここまでしてベルリンに残りたいんだろう」とすら泣けてきて、それでもずっとお世話になっていた、フリーランスに関するアドバイスをくれていた人にその日は会いに行く予定でした。自分からお願いしたのに、約束をすっぽかすわけにも行かない。ちゃんと考えていることを伝えなければ。「結局、フリーランスビザ取得にはハードルも迷惑も高すぎるので、労働ビザが取得出来ると分かったから、大人しく労働ビザをまずは申請します」と伝えること、ものすごく悔しいし、応援してもらったのに申し訳なくて、辛かったです。

たまたま会社の先輩が、私が相談をしている方の同居人(プロの美容師さん)に髪を切ってもらう話にもなっていたので、先輩と一緒に出掛けました。道中、先輩に「とりあえず労働ビザを取って、もう少し頑張りますよ。」とお伝えすると、ものすごくものすごく哀しい顔をされていました。私の決断の辛さが、一番分かるのは彼女だからです。フリーランスの友人宅に行くと、私はお兄さんに自分の考えを話しました。会社の先輩は楽しそうに髪の毛を切ってもらっています。「一週間、死ぬほど寝ないで考えに考えて、考えることにも疲れちゃうぐらいに考えたけど、確実なビザが一番大切だって思ったんです。」フリーランスのお兄さんは「うーん。でも、その会社に所属したまま転職活動するのって難しくない?だって酷使されることが目に見えているし、解雇の恐怖で脅されているから酷使されても働かなきゃ行けないし、そんな疲れ切った状態で転職活動の面接に言っても採用されるかな?」と現実的な見解をくれます。暗に「それで本当にいいの?」と聞いてくれています。私は「リスクを取ることが出来る体力や精神力が、今の自分にあるか自信が無いんです。」としか答えられなかった。ずっと応援して親身になって相談に乗ってくれていたお兄さんは「その決断でいいなら、それしかないけどね。」と、では会社に残るなら何が出来るのか、その方向で色々と一緒に考えてくれました。何一つ良いことが起こりそうになかったので、これまた「労働ビザが取れる(しかし3ヶ月後には解雇される)」以外にはなんの魅力も無い選択で、もう笑うしか無いほどでした。

その時、「きゃー!可愛い!」との声が聞こえます。長年のストレスフルな仕事で髪も切りに行っていなかった先輩が、雑誌のモデルさんみたいに可愛いボブスタイルになっていました。暗い話は忘れて「かわいい!かわいい!」と先輩の髪を褒めながら、「美容師さんとすごく盛り上がっていましたね、お二人で何の会話をしていたのですか?」と何気なく質問したら「アナタの話よ!」と即答されました。

ベルリンに来てからずっと私の髪も切ってくれていた美容師さんは私が会社でハッピーではないことを知っていました。その上で先輩から私の身に起きていることを聞いたのでしょう。とっても感情でものを話す方なんです。大きな声で「辞めてしまえ、そんな会社!」と言われました。4年間、クッソみたいな美容室で働きながら、ドイツ語を磨いてやっと素敵な美容室に転職した美容師さん。この人だったら「辛い環境を今は耐えて、それから次のステップに進めばいいよ」そんなことでもいって「冷静に労働ビザを取りに行こうとする」私の判断を一番支持してくれると思っていたのです。でも美容師さんは「クソみたいな会社にしがみついても何も良いこと無いから!俺が経験してきたから!辞めちまえ!」と一喝。その瞬間に私は号泣してしまって、先輩にしがみついて泣きました。先輩は「もうちょっと、私の新しい髪型を褒めて欲しいんだけどな。」と言いながら、私をずっと泣かせてくれました。

 

「最悪」とは心が折れてしまうこと。「正しい判断が出来る人間」ではなくなってしまうこと。

「まあ、ご飯でも食べましょう。」とフリーランスのお兄さんが美味しいグリーンカレーを振る舞ってくれました。(お世話になり過ぎだろう。。。)『労働ビザ、フリーランスビザ、労働ビザ、フリーランスビザ』とぐるぐると新情報が手に入る度にめまぐるしく最善の判断を目指しながら動いてきて、思考も体力も落ち切っていた私は美味しいカレーが食べれなくて、半分以上残してしまいました。ビザ以上に大切なこと。皆と笑って美味しいご飯を美味しく食べられること。本当の「最悪」は「ビザ無し職無し」ではありませんでした。本当の最悪は心が壊れてしまうこと。私が考えていた「ビザ無し職無し」は最悪でも何でも無くて、日本に帰ってしまえば打開される問題です。実は英語の教員免許を持っているので、日本に帰ったら採用試験を受けたって良いのです。帰ってきて一緒に仕事をしよう、と誘ってくれている友人だっています。「ビザ無し職無し」になったとしても、それは全くもってして最悪でもなんでもありませんでした。

また一晩考えて、先ほどフリーランスのお兄さんに連絡をしました。「すみません、お願いがあります。」と推薦状を書いてもらえないかと。後ほど真剣に頭を下げに行こうとしたら、「もう書くつもりだよ?」と既に一枚確保出来ておりました。あいやー。マジで捨てる神あれば、拾う神もいるんだな!有り難いと言うか、ビックリしました。ついでみたいに「明日ボルダリング行く?」って、そうだね、そろそろ行かなきゃいけませんね。怒りのエネルギーは、ちょっとどこかで発散させる必要があるのかもしれません。

結果として、紆余曲折しながら私は前進しているのですが、選択した答えが『フリーランスビザ取得に全力を尽くす』なので、これからはビザ申請に必要な推薦状や書類の準備を進めて行くことになります。今回の件で、ベルリンのスタートアップ界隈の違法ギリギリな労働環境や最悪な企業がやってくる手口、また法律の抜け穴なども分かったので、時間を見つけて書き残して行きたいとも思います。私の身におこっていることはきっと「誰かに伝える為」に経験するべきだったのだと思うことにしました。だって、この現実を知らないままにベルリン移住を目指す人がいたら、きっと打ちのめされてしまうかもしれないから。「人生敗者復活戦」を書き綴ることが誰かの役に立つのであれば、辛いことも「体験取材だ」と思って頑張ってみます。もうしばらく見守って下さいませ。

ベルリンの最悪スタートアップで酷使されるぐらいなら、フリーランスになったらいいんじゃない?

「ベルリン」「スタートアップ」「最悪」の反響の高さに驚きと納得。

月曜日の夜に投稿した記事が、ものすごく反響を頂いているようで驚いています。『ものすごい』って言っても、別に有名ブログさんからしたら対したことは無いのでしょうが、普段のアクセス数が50〜100ぐらいのブログでしたので、イキナリ3000アクセス越えは驚きました。あの記事は最悪な金曜日から一夜明け、土曜日の夜に二日酔いの頭を抱えながら書いた文章でした。ビザや雇用を盾に取り「お前なんて簡単に潰してやれる」とも取れる横暴な発言をされ、ものすごく悔しい気持ちと、それでも諦めないで戦って行こうと思った気持ちを全て文章に込めました。

本当に何がどうなってそうなったらイキナリ沢山の方の目に触れることになったのでしょうか。具体的なキッカケが分からないのですが「ベルリン」「スタートアップ」で検索を掛けても私の文章は上位に表示されませんので、きっと「最悪」だと思っている人が少なからず存在するのだと思います。「ベルリン」「スタートアップ」「最悪」で検索して頂きますと、ドンピシャ私の記事が検索上位に来ます。だから同じ想いをベルリンでしている人が一定数いて、皆さん同様に苦しい想いをされているんだろうな、と反響があったことが嬉しくもあり、同時に哀しくもなりました。「ベルリン」「スタートアップ」「最悪」で「検索されている=興味がある≠当事者」かも知れません。ベルリンで苦しみ藻掻いている人はどれだけいるのでしょうか。私は同じ経験をされている人、またベルリンの色んな現象を知りたい人に向けては私が事細かに近状をアップデートすることで(出来ればハッピーエンドで終わりたいですが)何かのヒントになったり、予防策を取ってもらえたら良いなと思います。今日も早速の近状報告をしたいと思います。今、もの凄い勢いで状況が変化し、なんとか前進しております。

 

ベルリンのスタートアップで酷使されるぐらいなら、フリーランスになったらいいんじゃない?

まず、コレです。結論から先に出ました。はい、もう私、会社からのビザとかいりません。労働ビザではなく、フリーランスのビザ取得を目指します。あの会社に所属する限りきっとずっと永遠に、体調崩したり、オーナーが機嫌を損ねたり、その度にやつあたりされたりなんかして、ボロボロになるまで酷使されてベルリンもドイツのことも嫌いになって終わってしまう気がしました。「いっそのこと、ビザと言う弱みにつけ込まれないようにするにはどうしたらいいのか?」日曜日の教会のミサで、知恵熱が出るぐらいに考えたのですよ。そしたら「あ、ビザって別に会社から貰う労働ビザだけじゃないわ。」と気がついたんですね。

私のベルリンでの趣味はボルダリングなのですが、ここで仲良くして頂いている日本人の友人皆さんが、フリーランスビザなんです。カメラマンだったり、フィルムメーカーだったり、ボイスアクターさんだったり。仕事内容は様々ですが、皆さん別名アーティストビザとも言われる形態のビザを習得し、ベルリンで生活をされています。私は自分のことをアーティストだと思っていなかったので「アーティストにはなり得ないから会社に所属しよう」と考え、ビザ収得が狙えるドイツ企業を目指して就活をしました。就活は無事一応の終わりを迎えまして、試用期間もほぼ終了し、さあ今からビザ更新だ、と思っていたらオーナーからの暴言です。労働ビザまであと少しだし、このまま相手の言いなりになって労働ビザ取得を進めてもいいのですが、私、とっても自我が強いんです。戦わずして降伏はしない、幕末の侍タイプなんですよ。だから私、会社を退職することにしました。

 

「辞表提出」からの、フリーランス契約を提示。

詳細はきっと、話し合いが済んだ後にまとめて書き残すことになると思いますが、方針としてはこの通り。辞表を提出しまして、「この会社との労働ビザは申請しません」と宣言します。しかし、私も無責任なことをして日本側の業者様にご迷惑をお掛けしたくはないし、引き継ぐ人材も今はいないわけで。このような現状があるので「フリーランスとしてならば働きにきてもいいですが、会社には属しません。」と伝えて、自分で作ったフリーランス雇用に関する契約書を同時にお渡しする算段です。だから今、めっちゃ必死にフリーランスにおける契約書の書き方を学び、次は私に有利な条件で働けるように、また同じように足下を見られることの無い、フェアな立場で働けるよう、契約の内容を整理しています。

 

友人の妹の恋人の友人がスタートアップ企業の法務アドバイザー(つまりスタートアップ企業のやり方や、法律関係に詳しい専門家)だった。

「何も知識が無いのに労働の契約書を作っているの?」と驚かれるかもしれませんが、今の会社で自分を守ってくれる契約書もなしに働くなんて無理です。口約束ほど信じられないものはありません。でも、捨てる神あれば拾う神あり。日曜日のイタリア料理店でお会いした、友人の妹の恋人さんの友人がスタートアップ企業の法務的アドバイザーをされている方でして、逆に言えば「たとえ超法的措置がとられ易いスタートアップ企業であっても、従業員に何をすれば違法になるか」を知っている人だったんですね。彼から「君の会社は雇用人数の規模からしてスタートアップ企業への超法的措置がとれないはずだ」と連絡を頂きました。さらに恋人さん、ベルリンで長年フリーランスとして働いてきたドイツ人。ドイツ人がドイツ人に対してどのようにフリーランス契約を結んできたか、実施で経験して来られた方です。月曜日の午後には「フリーランサーがどのようにして契約書を作るべきか」という参考資料やドイツ語の契約書のテンプレートまで送ってもらえました。また「実は私もボルダリング大好きなのよ!次の土曜日に一緒に登りに行きましょう。そしてまた契約に関する相談にのってあげるからね!心配しないで頑張って!」とのメールまで。私、ビザ切れ一ヶ月前にして「労働ビザなんて止めた!フリーランスビザの取得を目指す!」と頭を切り替えなければならなかったのですが、もの凄く沢山の人達が応援してくれて、実際に手を差し伸べてくれているんです。もう、行くしか無いかな!と。だって気分転換も兼ねてたまたま日曜日の夜に、仲良しの友人に誘われた「その友人以外ほぼ初対面な食事会」に参加したら、私が必要とする情報も人材も全部手に入ったのです。コレ、多分、そう言うことだと思うんです。

 

試用期間の半年が過ぎても、再度試用期間を延長させたい場合、書面での告知が必要です。

コレ。私が手にした情報の中でもスゴく大切な部分ですが、お役所の国ドイツ。全部が書類至上主義のドイツ。逆に言えば証拠となる書類さえ掴んでしまえば立場は強いのです。言った言わないの議論なんかじゃ通用しません。紙に書かせましょう。逆に紙に書いて提示して来ない脅しには屈する必要は無いのです。黙って時間がすぎるのを待ちましょう。自動的にアナタの雇用契約書は効力を増してゆくはず。もちろん各々の雇用契約があり、内容も多岐に渡るので一概には言えませんが、必ずドイツ語が分かる人と確認して下さい。ドイツ語がわからないと思われていると、違法なことでも押し通されてしまいます。

フリーランスビザ取得を思いつくに至ったのも、元々は食事が終わった後に、私の現状を心配してくれた友人達が話を聞いてくれて、「じゃあ、お願いごとがあるんだけど・・・」と彼らに一緒に私の雇用契約書を読んでもらったことから始まりました。全部ドイツ語で詳細まで理解が出来ておらず、「本当に試用期間の延長など可能なのか?」「試用期間が終われば、自動的に制限の無い雇用になるのではないか?」という点を再度確認しておきたくて。

その場にいた3人が契約書を読み、「この契約書には試用期間中には解雇や契約の変更に関して、双方2週間前の告知が必要である。」と書いてあることを確認しました。つまり「試用期間を延長するにも、その旨を二週間前には私に書面で伝える必要があった」のです。試用期間延長の脅しは先週の金曜日。試用期間終了の一週間前です。しかも口頭のみ。よって次の月曜日が来れば、私は試用期間でもなくなるし、それ以上に期限制限のない、正式な社員としての雇用になるのです。ドイツ語や法律を知らないと思われているので、こんな風にハッタリを噛ましてくるんですね。逆に次の月曜日が来るまで、私は虎視眈々と、水面でカウンターアタックを準備するのみです。

 

あれ?正式雇用されるならばフリーランスじゃなくても良くない?

これ、私も考えました。最初は契約書を盾に「試用期間の延長は同意出来かねますし、違法です。私は既に正式雇用されているのでこのままの書類でビザ申請をする権利があります。なのでコチラの雇用側が記入するフォームの記入に、ちゃんと対応して下さい。」っていうカウンターアタックを考えていたんですよ。お金ない会社だし、裁判とかきっと嫌いだと思うのです。でも、私はまだビザが取れていない外国人。立場は弱いですし、裁判中にビザが切れてもまた足下を見られます。その上、ぶっちゃけ裁判なんてめんどくさくてエネルギー使いたくないので、相手が「どーぞ、訴えてみて下さい。」という体で来たら余計にめんどうくさいのですね。しかもどうしても労働ビザ取得に重きが置かれる形になるので、給料交渉など労働環境の改善要求も行いにくくなってしまいます。よって、「別にアナタからのビザはいりませんけど?」というスタンスが必要でした。そこからフリーランスビザの取得というアイディアが生まれてきたんですね。

ただし、これ以上先の交渉戦略を私一人で考えても進まなくなってしまいました。「労働ビザ」「雇用契約書」「正式雇用」「裁判」「フリーランスビザ」「雇用条件改善」これらのワードを組み合わせてみても、なかなか上手くまとまりません。どこかで流れが悪い交渉だと、揚げ足を取られてしまう可能性もあるからです。丸め込まれてはダメ。自分のヴィジョンとプランはシンプルに。そして先手必勝のネゴシエーションで相手に有無を言わせない選択を迫ること。私だけではアイディアが出なかったので、月曜日の夜はボルダリング部の先輩の家にお邪魔させて頂きました。

この方はベルリン在住6年ほどの日本人の方で、フリーランスとしてベルリンで働くにあたり、直接お話をきけるならばこれ以上の方はいません。そしてこのお兄さん、考え方もアイディアも常にシンプル。A=B B=C A=Cの公式で物事を考えていけるスーパー理系な方なのです。これまたスーパー理系に完成されている絶品な自家製納豆で美味しい卵ご飯を振る舞ってもらって元気を補充。一通り納豆ご飯を食べ終えたお兄さんが「ふーむ。」とちょっと考えた後に一言。「あれ、じゃーもう、最初からフリーランスで良くない?」と。確かに!目から鱗でした。

ココから「労働ビザ」「雇用契約書」「正式雇用」「裁判」「フリーランスビザ」「雇用条件改善」これらのワードを並び替え、模擬カウンターアタックごっこをしつつ、最善策は「辞表提出により、雇用契約を切ってしまうことでフリーランスビザ取得の必然性を強調し、その上でフリーランスの契約をオファーする際に契約内容をコチラから提示することで私に有利な雇用契約を結ぶ。」との戦略が出来ました。

そして火曜日は社内で退職が決まっている、元フリーランスで働いたことがある同僚のドイツ人に相談をしました。「ぶっちゃけ、フリーランス契約、食いついてくると思う?」とか、「時給設定はどれぐらいがリアルだろうか。」とか。彼も会社のやり方に不満があって退職を決めた人ですし、何だったら私の今までの転職活動を応援してくれていた方です。私が現在作ろうとしている雇用契約書は、彼が一緒に考えてくれるとのこと。またその際には彼が持っている「フリーランスとしての雇用契約書」と「パートタイム雇用としての契約書」を一緒に確認しつつ、「まあ、コレぐらいだったら飲むだろう」という条件で作っていこうとの方針。まあ、私はガッツリとカウンターアタックをぶち込める契約書に仕上げたいと思っておりますが、コレは週末までじっくり考えなければいけませんね。

 

フリーランスよりも会社所属のビザが何故魅力的に思えていたのか。

最後に、私は安易に「それでもダメだったらフリーランスビザで!」とワーキングホリデーで来られている方にメッセージを送りたいわけではありません。私が送りたいメッセージは「頑張っても誠意を尽くしても、存在を軽んじられたときは戦ってもいいと思う」ということだし、「全力で戦うときは、どんな人でも手を差し伸べてくれる人がいたら躊躇せず、感謝してひたすら手を伸ばす」ことを忘れないで欲しいと言うことです。一つ行動を起こせば次に繋がって、どんな行動であっても何かしらの動きが発生すると言う面白さ。また普段からお付き合いのある友人達が、どれほど心強いかと言うこと。友人の数は多くはありませんが、大切な友人1人1人の後ろには、実は10人も100人もの人脈が繋がっているわけです。目の前の人と向き合ってきたら、いざと言う時にこんな風に広がってくれるのだなあと、とても感激しております。

そして本題ですが、フリーランスビザはやっぱり大変ですよ。私だって雇用してもらえるなら雇用される形での労働ビザが一番理想的でした。まずビザ申請に関して、会社からの雇用契約書があれば「毎月一定の収入がある」と見なされて貯金額なども重視はされないようです。フリーランスで必要となる「ファイナンスプラン」とか面倒な書類は作成する必要がありません。月曜日の話し合いに向けて準備を進めつつも、同時進行で巻の巻の巻巻のハイスピードでフリーランスビザ申請の準備を進めておりますが、果たして間に合うのか正直心配です。私すっごいビザ申請自体を舐め腐っていまして、「雇用契約書を持っていたら大丈夫だろう」ぐらいに考えていたのです。申請が通るようにちゃんと「日本人であるべきポジション」に就活しましたし。でも、一気に崩れ落ちましたから、本来であればじっくりしっかりと用意して申請したいものを一ヶ月で用意しようとしているんです。無茶苦茶ですが、それでも戦いたい。それだけが私を前に進めてくれています。他の人にはあまり同じ戦略をお勧めしません。

そして、フリーランスビザで一番大きなポイントは保険料ですね。会社雇用ですと公的保険の支払いは会社と折半出来ていましたが、フリーランスになると保険は自己負担になります。1000ユーロ稼いで、400ユーロは保険料で持って行かれちゃう。それ以上に一ヶ月の収入が安定している雇用と、フリーで仕事をとって働かなければならない働き方では、お金の収支がかなり変わってきてしまうでしょう。私の予想では会社側がフリーランスの雇用契約を飲むと期待していますが、もし会社が「じゃあ1ヶ月後には退職してくれ」と言われた時にはどうするのか。正直、今のところ仕事の当てがバッチリあるわけではありません。普通にピンチです。でも、まずはビザを取りたい。仕事は探す。フリーにやってみたいことをガンガンみつけてドンドン働いて行くしかないです。その覚悟があるのか、と問われたら覚悟がありますし、何だったらワクワクもしているんです。不健康な会社に長くいることの方が弊害が多く、長期的なリスクだと思うので、この場合は目先のリスクを受け入れ、この道で行こう!という判断です。シンプル イズ ベスト!な理系でボルタリングなお兄さんも「まずはビザ取ってから考えようぜ。」と背中を押して下さったので。やれるだけやってダメだったらその時にもう一度考えようと思いました。帰国を選択するのはその時で良いと思います。

もし素敵な会社に就職が決まっていたら、こんなことにはなっていませんでした。もし給料が安くても、やりがいがあって同僚も生き生きと働いている環境だったら、戦う必要だって無かったです。だからベルリンの最悪なスタートアップのひとつで苦しんでいる人がいれば、リスクをどのように判断するのか、よく考えて頂ければ良いなと思います。ものすごく細かく時系列に、気持ちの揺れまで含めて文章に書き残しているのは、「安易に何か大きな決断を下しているわけではない」ですし、その上で「どのような条件や判断基準で決断したのか」その過程をしっかり誠実にお伝えしたいからです。私の文章が、いつか誰かの参考資料になりますことを願って。また月曜日のカウンターアタックにむけて、進展があれば記録に残しておきたいと思います。

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うーん、もう、言いたいことは沢山あるけども「I'm fabulous so fuck off !」気持ちはいつだってこのスタンスですね。

ベルリンの最悪なスタートアップで働いて見えた「国際色豊か」な街で買いたたかれる外国人とドイツの若者の現状

半年間の試用期間終了を控え、オーナーから「無価値」との評価を頂きました。

「半年間働いてきた君を見て、唯一気に入っているのは君のフレンドリーな人柄と性格だけ。仕事内容には一切満足していないし、何の結果も出せていないじゃないか。唯一成功したようなプロジェクトも、俺がプレッシャーを与え続けたから進行出来たんだ。君を雇ってあげてもいいけども、君の態度次第だ。雇用契約は結ばない。試用期間を3ヶ月延長してあげるから、その間に結果を出せば考えてあげないことも無い。」

半年間ある会社で働いてきて、試用期間が終わる一週間前。オーナーから上記のような評価を頂きました。社長もチームリーダーも同席していた会議室で、私はただ「価値がない」と言われ続けました。とってもとっても理不尽で予想していた以上に酷い言われようだったので、「給料交渉前になると徹底的に相手を打ちのめす」という退職者から聞いていた話を、身を以て実感した時でした。

転職を一度は中断したけれども、さっさと再開しようと思いました。この瞬間に「あ、風が吹いた」と思いました。ビザ更新の為に一度は転職活動を休憩しようとしたけれども、「おいおい、待てよ。こんな不健康な場所に留まっていては行けない。」と。「早く出て行かないといけないな」と詰めの甘かった自分を反省しました。その場で反論も沢山あったけど、オーナーのドメスティックバイオレンスのような飴と鞭のやり方は分かっていたし、一度似たようなことを日本でもされたことがあるかいちいち疲労してもいけません。ただひとつだけその場でハッキリ伝えました。

「3ヶ月の試用期間の件も分かるけれども、事実として私は8月末にビザを更新しなければ労働出来ないし、ビザを申請するには最低でも1年間の雇用契約が必要です。3ヶ月の試用期間の契約ではビザは更新出来ないので、ここで働くことも、貢献することも出来ません。」

社長は「ビザの件はちゃんとしよう。」と直ぐに答えてくれましたが、オーナーは「そんなことは関係ない。2週間ぐらい後に考えればいい話だ。今は何も返事はしない。」と徹底して「今の君は雇う価値はない」というメッセージを与えてきました。それでも未来の話をするのは私を必要としているからだし、長年勤めた日本人スタッフが残り2週間で退職する現状で、彼女の仕事を引き継いできたのは私しかいない訳で。私が強く出る前に、出鼻をくじいておく、そんな意味合いがあったのだと思います。

 

スタートアップ多産多死「起業の聖地」と呼ばれるベルリンで起きていること

スタートアップ企業にもそれはそれは素晴らしい会社も沢山あって、本来の素晴らしい会社では成長速度が速いため会社の成長とともに自身もスキルアップしていったり、人手が足りない部分があるからこそ新しい経験もトライ&エラーで行うことが出来ます。それに「新しいサービスを作り出している」という自負がある為やりがいもあるでしょうし、お給料がものすごくいいスタートアップだって存在します。ちゃんとベルリンにも成功していて社員をフェアに扱うスタートアップ企業もあることを先に述べておきますね。(友人の旦那様のスタートアップでの給料は大企業よりも高待遇だそうですよ。)

でもベルリンには私のようにスタートアップ企業で働く大変さを実感したり、過去に経験した人達も沢山います。

それは立場が弱い外国人だけではなくドイツの若者だって同じなのです。私が会社での悔しい経験を話せば「よく聞くベルリンのスタートアップ企業の苦労話だ」と長年ベルリンに住んでいる日本人の友人に言われるし、ドイツ人の友人ですら「私も同じ経験がある」と言います。スタートアップ企業は基本的にお金がありません。企業のヴィジョン(社会的意義がある新しいサービスだったり、単純に面白いサービスだったり)がハッキリしていて社員がモチベーション高く働いていると成長速度も速いのでお金も稼げますし、その分人材にもペイオフ出来れば更にいい人材が集まる好循環になります。でも私が働く企業のように社員が「いつ首を切られるか」とビクビクしたり、オーナーのビジョンがその日の気分で揺れるような会社ですと社員のモチベーションも低ければパフォーマンスも低いです。未経験でも給料が安い社員を雇い入れて無茶な要求をしているので、正直皆「早く転職したい」と思って働いていますから業績にも結果が出ないですし、お金は稼げません。その為人材を買いたたくし、「お金」だけをモチベーションに集まってくる安い人材でしか企業が成り立ちません。お金以外に何も提示出来ないのにお金も提示出来ないので、スキルを身につけた人材をキープ出来ません。疲労し切って体調を壊す社員を何人もみました。でも会社は潰れません。ベルリンは安くて使える人材が山ほど供給される街だからです。

 

Working student(就労学生)、インターンと言う名前で搾取されるドイツの若者と、ビザが欲しくて買いたたかれる外国人

 

まず、ベルリンはドイツ人でも仕事で苦労している場所だと伝えたいです。ベルリンでは外国人の人材が常にやってきますから、ヨーロッパでの実績が無い彼らのコストは低いです。まずは安定した最初の仕事を得ることで必死なので、彼らの給料は安い。私だって安いです。最低賃金しか頂いていません。でも私にだって、買いたたかれる外国人の彼らにだってある程度のスキルも経験もあるんですね。そんな人材が豊富な街で、ドイツ人の若者は彼らと比較されてコストパフォーマンスで値踏みされています。またヨーロッパは実力社会なので、日本のような新卒採用と言うポテンシャル採用はありません。企業でのインターン経験が無いと通常雇って貰えないので、だから学生の間は甘んじてインターンをします。インターン、Working student(就労学生)、色々な言い方があるにせよ、企業に取っては安く使える有り難い人材です。外国人も買いたたかれるけど、ドイツ人の若者も買いたたかれている現実があります。

ドイツ人の友人も最初はある企業でインターンから始めました。実家のある街を離れて大都会のベルリンにやってきたので、最初の仕事は選んでられません。安い給料で働いてきたインターン期間が終われば本契約だけれども、本契約前には皆同様に買いたたかれます。「君は無価値だから給料は上げられない。雇ってやるだけ有り難いと思え。」このような状況から抜け出すまで、本当に辛かったと彼女は私に話してくれました。ドイツ人であれば労働ビザも不要だし、本当に腹が立てば実家に帰ることだって出来ますが、街自体はとっても楽しいベルリン暮らし。恋人だっているし、簡単に仕事を失うわけにはいかない。ドイツ人の若者だってベルリンのスタートアップ企業で苦労をしています。

それ以上に厳しい立場にいるのがビザが必要な外国人です。「外国人としてドイツで雇用される正当性」のある仕事をしていないといけないので、会社に付帯する形の労働ビザである以上、会社側に足下を見られることは少なくありません。EU圏の若者はまだビザの心配は少ないですが、EU以外の外国人は常にビザの問題がついて回ります。たとえ正式にスターバックスで働いていたとしても、「スターバックスだとドイツ人でも難民でも、誰が働いても一緒だ」と見なされて「わざわざスターバックスで働かせる為に日本人にビザを与える必要が無い」とビザ申請が却下されます。ベルリンで暮らしたい外国人、若者は沢山いるので、もし気に入らない社員がいればすぐに解雇して次を雇えばいいのです。このような背景から人材を大切にしない企業体制が平常化するのでしょう。

 

「お前は無価値だ、役に立たない」社員をコントロールする為に使われる、人格破壊戦法には無言で対応を。

「お前は無価値だ、役に立たない」「ココ以外ではどこでも雇ってもらえないが、ココだったら拾ってやってもいい」という人格破壊と刷り込み。されちゃっている人、多いんじゃないですか?これはベルリンに限った話じゃなくて、日本でも同様にブラック企業の話題は尽きませんよね。人事のやり方は分かりませんが、少ない社会人経験でこのやり方をされたのは2回。一度は日本企業にて希望配属先を諦めさせる為に。二度目はベルリンで給料交渉をさせない為に。

彼らのやり方は同じ。(人材コントロール術、みたいなのがあるのかな?)まずは人格破壊と言いますか、如何に自分が無価値でどうしようもない人間であるか、高圧的に最低な評価を下して相手を萎縮させます。ショックで頭を空っぽにさせてから、企業側に都合がいいことを詰め込んで行きます。相手がとても若かったり、客観的に自身を俯瞰出来ない場合だと、ショックを受けたままの状態で企業の想い通りに動かすことが出来ると思います。

私は最初にやられた時、ショックで身体が固まってしまったし、その後は「ダメな私でも雇ってくれているだけ有り難い」と自分を最低の存在だと卑下して、会社に感謝すらしてしまいました。もちろん空回りのまま仕事に邁進するので内心はボロボロ。自分すら見失った人間が仕事で成功することは出来ないと思いました。そもそも私は、日本社会で退職した経験から立ち上がりたくてドイツまでやってきたんですよね。

今回は直ぐに「同じことをされているな」と分かったので特に慌てることはなかったものの、やはりショックですし悔しかったです。最初は自分の意見を述べてみましたが、相手は揚々として私が発した「I didn’t know(分からなかった)」という単語だけを拾い、発言が意味した文脈から切り離して更なる攻撃に使われました。その後の反論はほとんどしませんでした。むしろ全て無言で受け止めて、「言いたいことは分かりました。少し考えてみます。」ぐらいの発言に留めておけば良かったとすら思いました。先手必勝の戦術ですから、不意を食らった相手は失言もしますし、失言の揚げ足を取って更に相手を不利な立場に追いつめるのが定石です。あまり発言しないこと、これこそが一番のカウンターアタックだと思います。もし同じ手口を使われた際には、(ショックなのは分かります。悔しい気持ちも痛いほど理解出来ます。でも)その場での発言は控えて、「考えてみます。」程度に抑えて下さい。相手はあなたを怒らせて失言するのを待っています。逆に冷静に対応されると作戦の失敗を感じ、相手も戦術を変えなければならないので少しは動揺するでしょう。感情に流されてはいけないし、感情を口にしては不利な立場に立たされてしまいます。

 

人格破壊と刷り込みには魔法の言葉で屈しない。“Dont take it personal. (個人の問題だと思わないこと)”

最悪な面談を終えたのは金曜日の夕方。退社した足でビールを3本買って、友人が待つ公園に向かいました。ドイツのビール瓶は500mlが普通。1.5Lのビールで荒れた心を洗い流してしまいたかったので、お昼に貰っていた「仕事が終わったら一緒にピクニックしようぜ!」という友人からの誘いは救いでした。

公園で長閑にビールを飲んでいる友人達を見つけたら、直ぐに堰を切ったように感情が溢れ出しました。悔しかった気持ち、怒り、理不尽に屈したくないプライド。全てを話し尽くしたら、友人が最初に一言。「“Dont take it personal. (個人の問題だと思わないで)”」と。ベルリンに住む以上、同じようなやり口で傷ついている会社員はいっぱいいて、特にインターンの若者や外国人には同様のことが起こっていること。ベルリンであったりスタートアップの特徴として起こっている現象で、決して私には非が無いこと。「君のせいじゃない。金がない会社は皆に同じことをしてくる。大丈夫、必ず抜け出せるから。」と伝えてくれました。彼の彼女はドイツ人ですが、彼女も同様の苦労をしたとのこと。「毎日疲れて帰ってくる彼女を見るのは辛かったよ。本当に可哀相だったし、腹が立った。でも感情に流されてはいけないよ。君は現実問題ビザが必要だし、その為には会社に属していた方がいい。虎視眈々と機会を狙って出て行けばいいから、それまでの辛抱だと思って耐えるんだ。耐えられないときは一緒に飲めばいいし、君が素敵な子だってことは知っているから、ちゃんと次の仕事は見つかるよ。」と、全て理解した上で一緒に戦ってくれると励ましてくれました。泣き出した私に気づいて、彼の彼女も会話に加わってくれます。彼女が辛かったこと、今の仕事では楽しく働けていること。「ちゃんと私も抜け出せたから、大丈夫。次の会社との出会いを探し続けよう。負けないで。あなたが日本に帰っちゃったら寂しいわ。」と、励ましてくれて彼女の会社での日本人の職がないことを悔しがってくれました。

彼らの「“Don’t take it personal. (個人の問題だと思わないで)”」と言う言葉は私にとって魔法の言葉でした。私の身に起こっていることは、私自身の人間性に何ら関係がないこと。仕事への取り組み方も、結果も、不真面目ではなかったし、どこまでやっていたとしても天井知らずに要求されるであろうことも。もし不利な立場に立たされた時、理不尽な要求を与えられているときは、その状況が個人の失態からきているのか、客観的に考えてみて下さい。会社が何故そのような方針を取るのか。悔しいけど、冷静に分析してみて下さい。個人の問題にすり替えられているけれども、そうじゃない。違うんです。問題は別にあって、そこに利用されているだけ。だからちゃんと、アナタの心を守って下さい。不用意に傷つけられるのを防ぎましょう。

 

ベルリンには求めるライフスタイルを求めてやってきた。次は理想のキャリアを目指そう。これぞ人生敗者復活戦。

「ベルリンから人生敗者復活戦」と名付けた通り、なかなか波瀾万丈に物事が進んでおります。しかし、仕事以外の生活の面ではとてもとても充実していて、友人達も大好きだしベルリンと言う街だって大好きです。一週間のうち40時間以上を過ごす会社での時間は確かにハッピーではないけれども、それでも日本に比べれば業務後の時間は充実しているし、休日だって面白いイベントに溢れています。まずは理想のライフスタイルを手にすることが出来ました。お金はないけれども、30歳までに女は結婚しろだとか、社会からの過度なプレッシャーも無ければ仕事以外は楽しいです。仕事だって、内容自体はとてもやりがいがあるし誇りを持って働いています。会社の経営方針と組織作りが人間として尊敬出来ないのが難しいだけです。人生敗者復活戦の言葉通り、少しずつ理想的な生活に近づいているとも思うのです。日本で毎日に頑張る友人達を尊敬しているし、いつも励まされています。日本社会を否定するつもりもありません。私が、ベルリンで生活したいと思っていただけだし、実際にベルリンの生活が好きなだけです。望んで起こした行動によって引き起こされる苦労はきっと幸せの一部。ここで立ち止まっては選択が間違っていたことになってしまいます。仕事が決まらなくて苦労したときは本当に辛かった。日本帰国だって具体的に検討しました。いつだって帰ることは出来るので、その瞬間までは頑張ってみたいですね。「充分に戦ったという記憶があれば、恥じること無く次のステップにいけるから。」と友人も教えてくれました。ビザ更新が出来るか、そこから怪しくなってはきましたが、まあ出来る限り頑張ってみようと思います。

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因に金曜日の夜は結局ビールを2Lとショットをダブルで飲みました。荒んだ心は綺麗に洗い流されて、二日酔いで死んだ土曜日でしたが、日曜日は美味しいイタリアンを友人と食べて月曜日からの戦いに備える週末となりました。金曜日の夜、深夜の道端の「誰でも勝手に本を置いて行って、誰でも勝手に本を貰って行ける市民図書館」より、写真の本をもらってきました。「Ich und meine Magnum (私と私のマグナム)」って本。酔った思考で私の心境にピッタリな本を選択していたようです。なるようになるか!